【速報】米議会が大麻再分類ブロックを撤回|トランプ大統領令後の歴史的進展

この記事のポイント
✓ 米議会が1月5日、大麻再分類を阻止する条項を予算案から削除
✓ 下院は1月9日、397-28の圧倒的多数で予算案を可決
✓ 新任ドラッグ・ツァーのサラ・カーター・ベイリー氏は医療大麻支持者
2025年12月18日のトランプ大統領による大麻スケジュールIII再分類の大統領令署名から1ヶ月足らずで、連邦レベルの大麻政策は急速に動き始めています。2026年1月5日、米議会は大麻再分類を阻止する条項を歳出予算案から削除することを決定しました。
この決定を受けて、1月9日には下院が397対28という圧倒的多数でこの予算案を可決しています。さらに1月6日には、医療大麻を支持する新たな「ドラッグ・ツァー」(麻薬政策調整官)が上院で承認されました。これらの動きは、米国の大麻政策が歴史的な転換点を迎えていることを示しています。
議会の方針転換
2026年1月5日、米上下両院の歳出委員会は、2026会計年度の商務・司法・科学関連機関(CJS)歳出法案の超党派合意を発表しました。この合意で注目すべきは、大麻再分類を阻止する条項が削除されたことです。
2025年夏、共和党が主導する下院委員会は、司法省(DOJ)が大麻を再分類することを阻止する条項を含む法案を可決していました。しかし、トランプ大統領が12月18日に大麻のスケジュールIII再分類を指示する大統領令に署名したことで、共和党内の状況は一変しています。大統領の方針に従う形で、議会共和党も姿勢を転換させました。
トランプ大統領が大麻スケジュールIII再分類の大統領令に署名
議会が予算案から大麻再分類ブロック条項を削除
上院がサラ・カーター・ベイリー氏をドラッグ・ツァーに承認(52-48)
下院が予算案を397-28で可決、上院審議へ
下院での投票結果は397対28という圧倒的多数での可決となりました。この結果は、トランプ大統領の大統領令を受けて、共和党内でも大麻政策への姿勢が大きく変化したことを明確に示しています。予算案は現在、上院での審議に移されています。
新任ドラッグ・ツァーの就任
1月6日、上院はサラ・カーター・ベイリー氏を国家薬物政策局(ONDCP)長官、いわゆる「ドラッグ・ツァー」に承認しました。投票結果は52対48で、共和党からはランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)のみが反対票を投じています。
カーター・ベイリー氏は、19の連邦機関にまたがる440億ドル規模の薬物対策予算の調整を担当します。注目すべきは、彼女が医療大麻に対して肯定的な姿勢を示してきた点です。元Fox Newsの記者である彼女は、自身のポッドキャスト「サラ・カーター・ショー」で大麻について率直に語ってきました。2023年11月には「大麻の合法化に問題はない」「大麻は特定の病気に対処する素晴らしい方法だ」と発言しています。
サラ・カーター・ベイリー氏のプロフィール
経歴: 元Fox News記者、フェンタニル・オピオイド危機を取材
役職: 国家薬物政策局(ONDCP)長官(史上初の女性)
大麻への姿勢: 医療大麻を支持、合法化にも「問題はない」と発言
承認投票: 52-48(共和党からポール議員のみ反対)
一方、民主党のディナ・タイタス下院議員(ネバダ州、議会大麻議員連盟共同議長)は、新任のドラッグ・ツァーに対し、スケジュールIII再分類にとどまらず、完全な合法化を支持するよう求めています。タイタス議員は「科学に従い、偏見ではなくエビデンスに基づいた大麻政策を推進すべきだ」と主張しています。
ただし、連邦法上、ドラッグ・ツァーはスケジュールI薬物の合法化を支持することが禁止されています。大麻がスケジュールIIIに移行すれば、この制限が緩和される可能性があります。
州医療大麻保護の継続
今回の予算案には、州の医療大麻プログラムを連邦政府の介入から保護する条項が継続して含まれています。この「ローラバッカー・ブルーメナウアー修正条項」(現在は「ジョイス・アームストロング修正条項」として知られる)は、2015会計年度以降、毎年の予算案に含まれてきました。
この条項により、司法省は「医療大麻の使用、流通、所持、栽培を認める州法の実施を妨げる」ために予算を使用することが禁止されています。現在、38州とワシントンD.C.が医療大麻プログラムを実施しており、この保護条項は州レベルの大麻産業にとって不可欠なセーフガードとなっています。
| 項目 | 変更前(2025年) | 変更後(2026年) |
|---|---|---|
| 再分類ブロック条項 | 下院委員会で可決(DOJの再分類を阻止) | 超党派合意で削除 |
| 州医療大麻保護 | 継続 | 継続(変更なし) |
| DOJ予算 | 370億ドル | 370億ドル(うちDEAに26億ドル) |
CJS予算パッケージ全体では、基礎裁量予算として780億ドルが計上されています。このうち司法省には370億ドルが配分され、麻薬取締局(DEA)には26億ドルが割り当てられています。DEA予算の主な目的は、メキシコのカルテルによるフェンタニル流入の阻止とされています。
今後のスケジュールと見通し
今回の議会の動きは、トランプ大統領令の実行に向けた重要な障壁が取り除かれたことを意味します。しかし、大麻のスケジュールIII再分類が実現するまでには、まだいくつかのステップが必要です。
司法省(DOJ)と麻薬取締局(DEA)は、2024年5月に大麻をスケジュールIからスケジュールIIIに移行する規則制定案を公表しています。トランプ大統領令はこのプロセスを「最も迅速な方法で」完了させるよう指示していますが、具体的な期限は設定されていません。
共和党のトム・マクリントック下院議員(カリフォルニア州)は、司法省が再分類プロセスを遅らせることはないとの見方を示しています。一方で、行政手続き上の要件や法的異議申し立ての可能性を考慮すると、最終的な再分類の実現には数ヶ月から1年以上かかる可能性があります。
今後の注目ポイント
上院での予算案可決: 下院通過後、上院での審議・採決へ
DEAの規則制定: 最終規則の公布時期が焦点
メディケアCBDプログラム: 2026年4月開始予定のパイロットプログラム
280E税制問題: 再分類後の大麻事業者への税制優遇
スケジュールIII再分類が実現した場合、大麻事業者にとって最も大きなメリットの一つが税制の改善です。現行の内国歳入法280E条では、スケジュールI・II薬物を扱う事業者は通常の事業経費を控除できませんが、スケジュールIIIに移行すればこの制限が適用されなくなります。
日本への示唆
米国での大麻政策の急速な変化は、日本に直接的な法的影響を与えるものではありません。日本では2024年12月12日に改正大麻取締法が施行され、大麻由来医薬品の使用は可能になりましたが、嗜好用大麻は引き続き禁止されています。
しかし、米国でスケジュールIII再分類が実現すれば、大麻由来医薬品の研究・開発が加速することが予想されます。その結果、日本で承認される医療用大麻製品の選択肢が広がる可能性があります。
また、メディケアでのCBDカバーという前例は、他国の医療保険制度における議論にも影響を与える可能性があります。日本の厚生労働省がCBD製品の位置づけをどのように判断するか、今後の動向が注目されます。
FAQ
2025年夏に下院委員会で可決された条項で、司法省(DOJ)が予算を使って大麻を再分類することを禁止するものでした。トランプ大統領が12月に再分類の大統領令に署名したことで、共和党議員の多くが方針を転換し、この条項は2026年1月の超党派合意で削除されました。
サラ・カーター・ベイリー氏は元Fox News記者で、フェンタニル・オピオイド危機を取材してきました。医療大麻に対して肯定的な姿勢を示しており、2023年には「大麻の合法化に問題はない」と発言しています。国家薬物政策局長官としては史上初の女性です。
いいえ、連邦レベルでの嗜好用大麻の合法化ではありません。スケジュールIII再分類が実現しても、大麻は依然として規制物質法の下で規制されます。ただし、研究規制の緩和、税制優遇(IRC 280E条の適用除外)、銀行サービスへのアクセス改善などのメリットがあります。
直接的な法的影響はありませんが、米国での研究促進により大麻由来医薬品の開発が加速すれば、日本で承認される医療用製品の選択肢が広がる可能性があります。日本では2024年12月12日に改正大麻取締法が施行されており、大麻由来医薬品の使用は可能になっています。
具体的な時期は未定です。トランプ大統領令は「最も迅速な方法で」完了させるよう指示していますが、行政手続き上の要件があるため、数ヶ月から1年以上かかる可能性があります。議会のブロック条項削除により、主要な政治的障壁は取り除かれました。
まとめ
この記事のまとめ
米議会は1月5日、大麻再分類を阻止する条項を予算案から削除し、1月9日に下院で397-28の圧倒的多数で可決しました
新任ドラッグ・ツァーのサラ・カーター・ベイリー氏は医療大麻支持者で、合法化にも「問題はない」との姿勢を示しています
州医療大麻保護条項は継続され、38州とD.C.のプログラムは引き続き保護されます
スケジュールIII再分類の実現に向けた政治的障壁は大幅に低下しましたが、行政手続きにはまだ時間を要します
参考文献
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