タイ大麻規制2026年最新 - 7000店舗閉鎖と新省令で何が変わる?

この記事のポイント
✓ 2026年1月、タイ保健省が新省令案を発表し、大麻販売施設を4種類に限定へ
✓ 18,433店舗中7,000店舗以上が閉鎖、ライセンス更新率はわずか15.5%
✓ 観光客の大麻アクセスは事実上終了、日本人は使用罪にも要注意
2026年1月、タイの大麻産業が大きな転換点を迎えています。タイ保健省は1月5日、大麻を「管理対象ハーブ」として扱う新省令案を発表しました。この規制により、大麻の販売が許可される施設は医療機関、薬局、ハーブ製品販売施設、伝統医の業務場所の4種類のみに限定されます。
2022年6月にアジア初の大麻合法化を実現し、世界中の注目を集めたタイですが、わずか3年半で状況は一変しました。全国18,433店舗あった大麻関連施設のうち、7,000店舗以上が閉鎖に追い込まれています。観光客が気軽に大麻を購入できた時代は、完全に終わりを告げようとしています。
2026年1月の新省令案とは
2026年1月5日、タイ保健省は大麻産業に対する新たな規制枠組みを発表しました。この省令案はすでに内閣の承認を受けており、法制機関の最終審査を経て保健大臣の署名により施行される見通しです。Bloombergによると、この規制は「ディスペンサリーブーム」を抑制するための大きな政策転換となります。
新省令の核心は、大麻の販売を許可する施設を厳格に限定することです。これまで街中に乱立していた大麻ショップは、医療機関、薬局、正式なハーブ製品販売施設、伝統医の業務場所のいずれかに該当しない限り、営業を続けることができなくなります。
アジア初の大麻合法化を実施
規制薬物リストから大麻を除外
大麻ショップが急増し18,000店舗以上に
市場規模は13億ドル(約2,000億円)に拡大
大麻規制強化法が施行
医師の処方箋が必須化
新省令案が法制審査段階へ
7,000店舗以上が閉鎖
この時系列が示すように、タイの大麻政策は合法化からわずか3年半で大きく方向転換しました。経済効果への期待から始まった政策が、社会的懸念と政権交代により、医療限定のフレームワークへと回帰しつつあります。
大規模店舗閉鎖の実態
Nation Thailandの報道によると、2025年12月28日時点でタイ全国の大麻関連事業者は18,433件でした。しかし、この数字は急速に減少しています。
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 全国大麻事業者数 | 18,433件 | 2025年12月28日時点 |
| 2025年期限切れライセンス | 8,636件 | 全体の約47% |
| 更新申請数 | 1,339件 | 更新率わずか15.5% |
| 更新せず閉鎖 | 7,297件 | 約84.5%が事業撤退 |
| 残存見込み店舗 | 約11,136店 | 2026年初頭時点 |
この数字が示す現実は厳しいものです。ライセンス更新を申請したのはわずか15.5%にとどまり、残りの84.5%は事業からの撤退を選択しました。さらに、タイ保健省によると2026年に4,587件、2027年に5,210件のライセンスが追加で期限切れを迎えます。新省令の厳格な要件を満たせない事業者は、今後も淘汰が続くと予想されます。
新規制の具体的な内容
新省令案では、大麻事業者に対して従来よりもはるかに厳格な要件が課されます。単に販売施設の種類が限定されるだけでなく、設備面でも高いハードルが設けられています。
📋 新省令の主な要件
販売許可施設: 医療機関、薬局、ハーブ製品販売施設、伝統医の業務場所の4種類のみ
設備要件: 臭気・煙の除去設備の設置義務
保管要件: 適切な倉庫での保管、温度・湿度管理、直射日光・床直置き禁止
人員要件: 研修を受けた職員の常時配置
現時点で有効なライセンスを持つ店舗は営業を継続できますが、ライセンスの更新や新規申請時には新しい基準への適合が求められます。これは事実上、多くの小規模事業者にとって事業継続が困難になることを意味しています。
また、2025年6月26日から施行されている規制により、大麻は「管理対象ハーブ」として位置づけられ、以下の制限が適用されています。
| 規制項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入条件 | 医師の処方箋必須(30日間有効) |
| 広告 | 全面禁止 |
| オンライン販売 | 禁止 |
| 自動販売機 | 禁止 |
| 販売禁止場所 | 寺院、宗教施設、学生寮、公園、動物園、遊園地 |
| 罰則 | 最大25,000バーツ(約10万円)の罰金、最大3ヶ月の懲役 |
これらの規制は、タイ政府が「医療目的の大麻利用という本来の目的に戻す」という明確な意図を持って導入したものです。
観光客への影響
かつてタイを訪れる観光客は、バンコクやプーケットの繁華街で気軽に大麻を購入し、使用することができました。しかし、2025年6月の規制強化以降、その状況は一変しています。
現在、外国人観光客がタイで合法的に大麻を入手するためには、タイの医師免許を持つ医師から処方箋を取得する必要があります。処方箋の有効期間は30日間に限定されており、医療目的以外での使用は明確に禁止されています。
一部のクリニックでは500バーツ(約2,300円)程度で処方箋を発行するサービスを提供していますが、CNNの報道によれば、これは本来の医療目的からは逸脱した運用と見なされる可能性があります。無処方箋での購入や公共の場での使用、無免許業者からの購入は、最大25,000バーツの罰金と3ヶ月の懲役刑の対象となります。
Legal 500の分析によると、タイでは依然として単一の包括的な大麻法が存在せず、統一ライセンス制度や明確な執行フレームワークが欠如しています。「大麻・ヘンプ法(Cannabis & Hemp Act)」は現在も国会審議中であり、法的な不確実性が継続しています。
日本人旅行者への警告
日本人旅行者にとって特に重要な点があります。2024年12月12日に施行された日本の改正大麻取締法により、海外での大麻使用も処罰対象となりました。これは従来の所持・譲渡に加えて「使用罪」が新設されたことによるものです。
⚠️ 日本人旅行者への重要な警告
使用罪の新設: 2024年12月12日施行、海外での使用も処罰対象
帰国時の検査: 空港で引き留められ、尿検査で陽性反応が出れば逮捕の可能性
THCの体内残留: 尿中に数日〜数週間残留する可能性あり
推奨: タイでの大麻使用は日本人には絶対に避けるべき
たとえタイ国内で合法的に(医師の処方箋を取得して)大麻を使用したとしても、日本の法律では違法行為となります。帰国時に空港で引き留められ、尿検査を受けた場合、陽性反応が出れば逮捕される可能性があります。THCは体内に数日から数週間残留するため、タイでの使用後すぐに帰国しても検出される可能性があります。
今後の展望
タイの大麻産業は、今後さらなる縮小と再編が予想されます。Pars Planetの分析によると、2026年のタイの大麻法は「管理された医療中心のフレームワーク」を反映したものとなり、かつての自由な消費者市場からは完全に離脱する見通しです。
残存する事業者は、コンプライアンス対応、文書管理、資本要件を満たせる者に限られるでしょう。小規模な大麻カフェや観光客向けのディスペンサリーは、ほぼ全てが市場から退出することになります。
一方で、Grand View Researchのレポートによると、タイの合法大麻市場は2024年に13.1億ドル(約2,000億円)規模に達しており、規制強化前には2030年に71億ドルまで成長すると予測されていました。医療目的への限定により、この成長予測は大幅に下方修正される可能性が高いです。
タイの事例は、大麻合法化を検討する他国にとって重要な教訓を提供しています。拙速な合法化は後の政策転換による混乱を招き、関係者に大きな損失をもたらします。日本も医療大麻の限定的な解禁に向けて動いていますが、タイの経験から学ぶべき点は多いでしょう。
FAQ
条件付きで合法です。大麻は麻薬法上の麻薬ではありませんが、「管理対象ハーブ」として厳しく規制されています。購入には医師の処方箋が必須であり、娯楽目的での使用は禁止されています。販売も医療機関、薬局、ハーブ店、伝統医の4種類の施設に限定されています。
理論上は可能ですが、実質的には困難です。タイの医師免許を持つ医師から処方箋を取得する必要があり、処方箋は30日間のみ有効です。一部のクリニックで観光客向けに処方箋を発行するサービスがありますが、本来の医療目的からは逸脱した運用です。無処方箋での購入は違法であり、罰金・懲役の対象となります。
日本の改正大麻取締法(2024年12月12日施行)により、海外での大麻使用も処罰対象となりました。タイで合法的に使用したとしても、日本の法律では違法です。帰国時の尿検査で陽性反応が出れば逮捕される可能性があります。THCは体内に数日〜数週間残留するため、日本人は絶対に使用を避けるべきです。
主な理由は政権交代、世論の変化、未成年者への影響懸念です。合法化は法整備が不十分なまま実施され、娯楽目的での使用が事実上黙認される状況となりました。約30%の国民が大麻を「有用性のない麻薬」と考えており、社会的コンセンサスが得られていませんでした。新政権は「医療目的の本来の目的に戻す」方針を明確にしました。
全てではありませんが、大幅に減少しています。18,433店舗あった事業者のうち、2025年にライセンス期限を迎えた8,636店舗の約84.5%(7,297店舗)が更新申請をせず、閉鎖に追い込まれました。残存店舗は約11,136店ですが、2026年・2027年にも追加で約9,800件のライセンスが期限切れとなり、さらなる淘汰が予想されます。
まとめ
📝 この記事のまとめ
2026年1月、タイ保健省が新省令案を発表し、大麻販売施設を医療機関・薬局・ハーブ店・伝統医の4種類に限定。7,000店舗以上が閉鎖に追い込まれている
観光客の大麻アクセスは事実上終了。処方箋なしの購入は最大25,000バーツの罰金と3ヶ月の懲役対象
日本人は特に注意が必要。2024年12月施行の使用罪により、海外での使用も処罰対象となっている
参考文献
この記事の関連用語
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