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【2026年展望】米国大麻合法化の次なるステージ|注目5州の動向を徹底分析

THE ASA MEDIA編集部
7分
【2026年展望】米国大麻合法化の次なるステージ|注目5州の動向を徹底分析

この記事のポイント

✓ ニューハンプシャー州下院が1月7日に合法化法案を208-135で可決、上院審議へ

✓ バージニア州は新知事就任で2026年11月からの嗜好用販売開始が現実味

✓ フロリダ、アイダホ、ネブラスカなど複数の州で2026年住民投票が予定

2026年、米国の大麻合法化は新たなステージを迎えようとしています。現在24州とワシントンD.C.で嗜好用大麻が合法化されていますが、残る26州でも改革の機運が高まっています。

特に注目すべきは、ニューハンプシャー州下院が1月7日に合法化法案を可決したこと、そして1月17日に就任するバージニア州の新知事が嗜好用大麻販売を支持していることです。トランプ大統領による大麻スケジュールIII再分類の大統領令も追い風となり、2026年は米国大麻政策における重要な転換点となる可能性があります。

現在の合法化状況

2026年1月現在、米国では24州、グアム、北マリアナ諸島、米領バージン諸島で嗜好用(成人用)大麻が合法化されています。これは米国人口の約70%以上が、何らかの形で大麻が合法な地域に居住していることを意味します。

ただし、「合法化」の内容は州によって異なります。バージニア州とワシントンD.C.では所持と自家栽培は合法ですが、販売は認められていません。また、デラウェア州、イリノイ州、ニュージャージー州、ワシントン州では自家栽培が禁止されています。

米国大麻合法化の現状(2026年1月)

嗜好用合法: 24州 + D.C. + 3準州

医療用のみ合法: 16州

非犯罪化のみ: 7州

全面禁止: 3州(アイダホ、カンザス、サウスカロライナ)

2024年11月の中間選挙では、フロリダ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州で合法化の住民投票が行われましたが、いずれも否決されました。フロリダ州では56%の賛成を得ましたが、憲法改正に必要な60%の特別多数に届きませんでした。


2026年注目の5州

2026年に嗜好用大麻の合法化または販売開始が期待される5つの州について、それぞれの最新動向と見通しを解説します。

ニューハンプシャー州は2026年に嗜好用大麻を合法化する可能性が最も高い州の一つです。1月7日、州下院は合法化法案(HB 186)を208対135という大差で可決しました。法案は現在、下院財務委員会に移され、その後上院で審議される予定です。

しかし、課題も残されています。ケリー・アヨット新知事(共和党)は大麻合法化に反対の姿勢を示しており、法案が両院を通過しても拒否権を行使する可能性があります。このため、一部の議員は住民投票による憲法改正を提案しています。世論調査では、有権者の60%以上が合法化を支持しています。

2026年1月7日

ニューハンプシャー州下院がHB 186を208-135で可決

2026年1月〜3月

下院財務委員会での審議、上院への送付

2026年春〜夏

上院審議、知事への送付(予定)

バージニア州は2021年に嗜好用大麻の所持と自家栽培を合法化しましたが、販売は認められていません。グレン・ヤングキン知事(共和党)が商業販売を認める法案に繰り返し拒否権を行使してきたためです。しかし、状況は大きく変わりつつあります。1月17日に就任するアビゲイル・スパンバーガー新知事(民主党)は、嗜好用大麻の商業販売を支持しています。議会が販売を認める法案を可決すれば、2026年11月1日から小売販売が開始される可能性があります。バージニア州には既に医療用大麻の規制フレームワークが存在し、ディスペンサリーも運営されています。このため、商業販売への移行は比較的スムーズに進む可能性があり、専門家の間では2026年に嗜好用大麻販売を開始する最も有力な候補と見られています。

ハワイ州では、過去数年にわたり合法化法案が議会で審議されてきましたが、いずれも成立には至っていません。しかし、勢いは増しています。ジョシュ・グリーン知事(民主党)は合法化を支持しており、下院司法委員会のデビッド・ターナス委員長(民主党)は、2026年会期中に住民投票を実施する法案を提出する意向を示しています。課題は、オアフ島選出の一部議員が合法化に消極的なことです。それでも、知事の支持と議会指導部の意欲を考えると、ハワイ州は議会による合法化を実現する最も有力な候補の一つであり、太平洋地域で初の嗜好用大麻合法化州となる可能性があります。

フロリダ州は2024年11月の住民投票で56%の賛成を得ましたが、憲法改正に必要な60%には届きませんでした。しかし、推進派は諦めていません。新たな住民投票の請願が既に2026年投票に向けて資格を取得しています。過半数の有権者が支持していることを考えると、2026年の投票では60%のハードルを超える可能性があります。フロリダ州は人口約2,200万人の大州であり、合法化が実現すれば米国大麻市場に大きな影響を与えます。

ペンシルベニア州は、周囲をニュージャージー州、ニューヨーク州、オハイオ州(いずれも嗜好用合法)に囲まれた東部最大の未合法化州です。ジョシュ・シャピロ知事(民主党)は合法化を支持していますが、共和党が多数を占める州議会との間で調整が必要です。2026年の住民投票も検討されていますが、議会による合法化の可能性もあります。人口約1,300万人のペンシルベニア州が合法化すれば、東海岸の大麻アクセスの地図は大きく変わります。


2026年住民投票の見通し

2026年11月の選挙では、複数の州で大麻合法化の住民投票が予定または検討されています。

投票タイプステータス見通し
フロリダ憲法改正資格取得済み60%必要、2024年は56%
アイダホ住民発議署名収集中保守的な州だが勢い増加
ネブラスカ住民発議検討中2024年は投票に至らず
ペンシルベニア住民発議検討中議会立法の可能性も

マサチューセッツ州では逆の動きも見られます。2025年12月、大麻合法化を撤回する住民発議の署名が十分に集まり、2026年投票に向けて議会に提出されました。議会は5月5日までに対応を決める必要があります。ただし、世論調査では大多数が合法化維持を支持しており、実際に撤回される可能性は低いと見られています。


連邦政策との関係

2025年12月18日にトランプ大統領が署名した大麻スケジュールIII再分類の大統領令は、州レベルの改革にも影響を与える可能性があります。

連邦政府が大麻をスケジュールI(最も厳しい分類)からスケジュールIII(医療用途が認められる分類)に移行させれば、大麻に対する社会的認識がさらに変化し、未合法化州の議員も改革を支持しやすくなる可能性があります。

連邦政策の影響

スケジュールIII移行: 州議員が合法化を支持しやすくなる

税制改善: 合法化州の産業活性化、他州へのモデルケース

研究促進: 安全性データの蓄積、反対論の弱体化

銀行アクセス: 大麻事業の金融サービス改善

また、スケジュールIII移行により、大麻事業者は内国歳入法第280E条の適用を免れ、通常の事業経費控除が可能になります。これにより合法化州の大麻産業が活性化し、税収増加の実績が他州の合法化議論を後押しする効果も期待されます。


日本への示唆

米国の州レベルでの合法化拡大は、日本に直接的な法的影響を与えるものではありません。日本では2024年12月12日に改正大麻取締法が施行され、大麻由来医薬品の使用は可能になりましたが、嗜好用大麻は引き続き禁止されており、「使用罪」も新設されています。

しかし、米国の経験から学べる点もあります。合法化州での税収実績、社会への影響(犯罪率、交通事故、未成年使用率など)のデータは、将来の政策議論において重要な参考資料となります。また、各州が採用する規制モデル(税率、ライセンス制度、広告規制など)は、仮に日本が将来政策を見直す場合の参考になる可能性があります。


FAQ

Q1: 2026年に何州で大麻が合法化される見込みですか?

確実な予測は困難ですが、バージニア州での販売開始(既に所持は合法)が最も可能性が高いと見られています。ニューハンプシャー州は下院を通過しましたが知事の拒否権が課題です。ハワイ州は議会での合法化の可能性があります。住民投票ではフロリダ州が再挑戦し、60%のハードルを超えられるかが焦点です。

Q2: トランプ大統領令は州の合法化にどう影響しますか?

大統領令自体は州法を変更するものではありませんが、間接的な影響が期待されます。スケジュールIII移行により大麻の社会的認識が変わり、未合法化州の議員も改革を支持しやすくなる可能性があります。また、合法化州の大麻産業が活性化し、その成功事例が他州の議論を後押しする効果も考えられます。

Q3: マサチューセッツ州で合法化が撤回される可能性はありますか?

2025年12月に、合法化を撤回する住民発議の署名が十分に集まり議会に提出されました。議会は2026年5月5日までに対応を決める必要があります。撤回案が2026年投票に進む可能性はありますが、世論調査では大多数が合法化維持を支持しており、実際に撤回される可能性は低いと見られています。

Q4: 日本への旅行者が米国で大麻を使用しても問題ありませんか?

法的には、合法化州で21歳以上の成人が現地法に従って大麻を使用することは、その州の法律上は問題ありません。ただし、日本の大麻取締法は国外での使用にも適用される可能性があり(国外犯規定)、帰国後に問題となるリスクがあります。また、連邦施設(国立公園、空港など)では連邦法が適用され、大麻使用は違法です。

Q5: 全米での連邦レベル合法化はいつ実現しますか?

予測は困難です。トランプ大統領のスケジュールIII移行大統領令は重要な一歩ですが、これは連邦レベルでの嗜好用合法化ではありません。連邦議会での完全合法化法案(CAOA法案など)は長年審議されていますが、成立には至っていません。多くの専門家は、州レベルの合法化がさらに進み、社会的コンセンサスが形成された後に連邦合法化が実現すると見ています。


まとめ

この記事のまとめ

2026年は米国大麻合法化の新たな転換点となる可能性がある年です

ニューハンプシャー州下院が合法化法案を208-135で可決し、上院審議へ進みます

バージニア州は新知事の下で2026年11月からの嗜好用販売開始が現実味を帯びています

フロリダ、ハワイ、ペンシルベニアなど複数州で改革の動きが加速しています

トランプ大統領の大統領令により、州レベルの改革も追い風を受ける見込みです


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参考文献

[1]
2026 Cannabis Policy Reform Legislation and Voter Measures
Marijuana Policy Project, 2026年1月14日
[2]
Which States Are Most Likely To Legalize Marijuana In 2026?
Marijuana Moment, 2025年12月31日
[3]
The States Most Likely to Legalize Cannabis in 2026
The Marijuana Herald, 2025年12月30日
[4]
Which States Could Legalize Marijuana in 2026?
Filter Magazine, 2026年1月2日
[5]
New Year's Resolution for VA Governor-Elect: Adult-Use Cannabis Sales in 2026
Foley Hoag LLP, 2025年12月30日

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