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米国大麻スケジュールIII再分類2026|いつ・何が変わる・日本への影響

ASA Media編集部
8分
米国大麻スケジュールIII再分類2026|いつ・何が変わる・日本への影響

この記事のポイント

  • 米国の大麻は危険度が最も高い「スケジュールI」から、医療価値を認める「スケジュールIII」へ移行する手続きが進行中です。
  • 2022年のバイデン大統領の指示に始まり、2025年12月のトランプ大統領令、2026年4月の司法省命令、6月29日のDEA公聴会へと段階的に動いています。
  • スケジュールIIIになると医療価値が公式に承認され、研究が進めやすくなり、業界の重い税負担(280E)が緩和されます。日本のCBD・大麻政策にも間接的な影響が及ぶ可能性があります。

「アメリカの大麻はいま、どうなっているの?」「日本に関係あるの?」——ニュースで断片的に流れる情報を追うほど、全体像がわかりにくくなっていないでしょうか。トランプ大統領令、司法省の命令、DEAの公聴会と、似たような言葉が次々と登場し、結局いつ何が決まったのかが見えづらいのが現状です。

この記事は、米国の大麻「スケジュールIII再分類」をめぐる一連の動きを、一本の時系列に整理する完全ガイドです。そもそも分類とは何かという基礎から、これまでの経緯、現在地、再分類が実現すると何が変わるのか、そして日本への示唆までをまとめます。個別の出来事をさらに詳しく知りたいときは、文中の関連記事リンクから深掘りできる構成にしています。

スケジュールI〜Vとは何か

米国では規制薬物を、依存性の高さと医療価値の有無によって5段階に分類しています。この制度を運用しているのが連邦の麻薬取締機関です。最も規制が厳しいのがスケジュールIで、ヘロインやLSDなどが含まれ、「乱用の危険が高く、認められた医療用途がない」物質と位置づけられています。大麻(マリファナ)は長年このスケジュールIに分類されてきました。分類制度そのものはSchedule I〜V分類とは何かで詳しく解説しています。

一方、スケジュールIIIは「乱用の危険が中程度で、医療用途が認められる」区分です。ここには一部のステロイドや、コデインを含む鎮痛薬などが入ります。大麻をスケジュールIからスケジュールIIIへ動かすという議論の本質は、「医療価値を公式に認めるかどうか」にあります。この手続きを主導するのが、米国の薬物取締を担うDEA(麻薬取締局)です。

なお、国際的な大麻の位置づけも近年変化しています。国連は2020年、国連麻薬単一条約(1961年)の最も厳しいスケジュールから大麻を削除しました。米国の国内手続きは、こうした国際的な潮流とも連動しています。

なぜ再分類が議論されてきたのか

きっかけは2022年10月、バイデン大統領が連邦保健当局と司法省に対し、大麻の分類を見直すよう正式に指示したことでした。これを受けて2023年8月、保健福祉省(HHS)が「大麻はスケジュールIIIが妥当」とする科学的勧告をDEAに提出します。行政府が「大麻には医療価値がある」と公式に認めた、歴史的な転換点でした。

この勧告を踏まえ、DEAは2024年5月21日、大麻をスケジュールIIIへ移行する規則案(提案規則)を連邦官報(Federal Register、米国政府の公式広報誌)に掲載しました。ただし米国の行政手続きでは、規則案の公表後に証拠提出や反対尋問を含む正式な審査(フォーマル・ルールメイキング)を経る必要があります。その入口となる公聴会が2025年1月に予定されましたが、直前に延期され、手続きは長く停滞しました。この最終段階の経緯はDEAの大麻再スケジュール審議が最終段階へで追っています。

トランプ政権下での加速

政権交代後、議論は再び動き出します。2025年12月12日、トランプ大統領は医療大麻・CBD研究の拡大と、大麻再分類の手続き完了を司法長官に指示する大統領令に署名しました。この大統領令の中身と狙いはトランプ大統領が再分類の大統領令に署名に詳しく、医療保険メディケアによるCBD保険適用の方針までを含む内容はトランプ大統領「大麻スケジュールIII」行政命令で整理しています。

大統領令だけでは規制は変わりませんが、政治の地ならしは急速に進みました。2026年1月には、再分類を阻止する条項を予算案から削除する形で米議会が大麻再分類ブロックを撤回し、医療大麻に理解のある人物が新たな麻薬対策トップ(ドラッグ・ツァー)に就きます。連邦レベルの政策が一斉に同じ方向を向き始めた局面でした。

そして2026年4月23日、司法省(DOJ)が具体的な一手を打ちます。司法長官代行が署名した命令により、FDA(米国食品医薬品局)が承認した大麻製品と、州の医療大麻ライセンス下にある製品が、スケジュールIからスケジュールIIIへ即時移行しました。この命令は4月28日に連邦官報へ公示され、同日付で効力を持っています。ただしこれは「部分的な移行」であり、娯楽用(嗜好用)大麻を含むすべての大麻が対象になったわけではありません。

その全面的な再分類を審議するのが、2026年6月29日にバージニア州で始まるDEAの行政聴聞会です。証拠提出と反対尋問を経て7月中旬まで審理が続く予定で、その焦点は6月29日公聴会と全面再分類の行方で詳述しています。なお、米国内のどの州が嗜好用・医療用を認めているかは米国の大麻合法化マップで確認できます。

スケジュールIIIになると何が変わるか

第一に、医療価値の公式な承認です。スケジュールIからの移行は、連邦政府が「大麻には医療上の用途がある」と認めることを意味します。これは象徴的であると同時に、研究・税制・医療アクセスの各方面に実務的な影響を及ぼします。

第二に、研究の促進です。スケジュールI物質の研究には厳格な許認可が求められ、臨床試験の立ち上げに数年を要することも珍しくありませんでした。スケジュールIIIへ移行すると許認可ルートの一部が簡素化され、研究の蓄積が進みやすくなります。実際、大麻の医療価値については大麻合法化でオピオイド処方が減少したというJAMA研究など、エビデンスの整理が各国で進んでいます。

第三に、税制の負担軽減です。米国の内国歳入法第280条E項(通称280E)は、スケジュールIおよびIIの薬物を扱う事業者に対し、通常の事業経費の控除を認めていません。このため大麻事業者は実効税率が極端に高くなる構造を強いられてきました。スケジュールIII移行で280Eの対象外となれば、税負担が大幅に下がり、業界の財務体力が一変すると見られています。

第四に、銀行取引や決済をめぐる環境の改善が期待されます。連邦法上の扱いが緩和されることで、金融機関が大麻関連事業との取引に慎重だった状況が変わる可能性があります。ただしこれらは法律や規則の整備とあわせて段階的に進むもので、移行の発効と同時にすべてが解決するわけではない点には注意が必要です。

州ごとの合法化との関係

ここで混同しやすいのが、「連邦の再分類」と「州の合法化」は別物だという点です。米国では多くの州が独自に医療用・嗜好用大麻を合法化してきましたが、連邦法上は依然としてスケジュールIのまま、という長年のねじれが続いてきました。今回の再分類は、この連邦レベルのねじれを解消する方向の動きです。

連邦の扱いが変わると、各州の動きにも波及が予想されます。たとえば連邦の直轄地である首都ワシントンD.C.では、再分類を受けて大麻販売解禁の可能性が浮上しました。一方で再分類は「合法化」そのものではないため、各州の制度や規制が一夜にして統一されるわけではありません。連邦と州の二層構造が当面は併存することになります。

日本のCBD・大麻政策への示唆

米国の動きは、日本の制度に直接の法的効力を持つわけではありません。日本では2024年12月12日に改正大麻取締法が施行され、規制方式が大麻草の「部位」で線を引く方式から、THC(精神作用をもたらす成分)の残留量で線を引く「成分規制」へと移行しました。具体的には、油脂・粉末で10ppm、水溶液で0.1ppm、その他で1ppmというTHC残留限度値が設定され、これ以下のCBD製品は合法的に流通できます。米国や国際基準で使われる「0.3%」という数値は日本の基準ではないため、混同しないことが大切です。

同時に、同法では大麻使用罪が新設されました。罰則の詳細は大麻使用罪で逮捕される条件にまとめています。米国が医療価値を認める方向へ進む一方で、日本は厳格な成分規制と使用罪を維持しており、両国の方向性は単純には一致しません。

それでも、米国の再分類が研究を後押しすれば、世界的な医療エビデンスの蓄積が進みます。エビデンスの厚みは、いずれ日本の医療大麻をめぐる議論にも参照されうるものです。日本国内で医療大麻が解禁されても患者が使いにくい現状は日本の医療大麻制度の現状と課題で扱っており、海外の制度変化はこうした議論の比較材料になります。

今後の焦点と時系列まとめ

ここまでの流れを時系列で振り返ると、2022年10月のバイデン大統領の見直し指示、2023年8月のHHSによるスケジュールIII勧告、2024年5月21日のDEA規則案の公示、2025年1月の公聴会延期、2025年12月12日のトランプ大統領令、2026年1月の議会によるブロック撤回、2026年4月23日の司法省命令(FDA承認品・州医療大麻の部分移行)、そして2026年6月29日からのDEA全面再分類公聴会、という順序になります。

今後の焦点は、6月29日に始まる公聴会の審理結果と、それを踏まえてDEA長官が発行する最終規則(ファイナル・ルール)です。公聴会は結論を出す場ではなく、行政法判事が勧告をまとめ、最終規則の発行に至るまでには数ヶ月から年単位の時間を要するとみられます。米国の大麻政策は、規制緩和と慎重な手続きが同時に進む多層的な局面にあります。最新の個別ニュースは本記事の関連リンクからたどり、全体像はこのガイドで把握する——そんな使い方をおすすめします。

よくある質問

Q1: スケジュールIIIになると米国で大麻は「合法」になるのですか?
いいえ。スケジュールIIIは「医療価値を認めつつ規制を続ける」区分であり、嗜好品として誰でも自由に使えるようになるわけではありません。再分類と各州による合法化は別の話で、連邦の分類変更は研究・税制・医療アクセスの環境を変えるものです。
Q2: 再分類はもう完了したのですか?
完全には完了していません。2026年4月23日の司法省命令でFDA承認品と州の医療大麻はスケジュールIIIへ移行しましたが、これは部分的な措置です。娯楽用を含む全面的な再分類は、6月29日に始まるDEA公聴会と、その後の最終規則の発行を経て決まります。
Q3: 280Eとは何ですか?なぜ業界が注目するのですか?
280Eは米国の税法で、スケジュールIとIIの薬物を扱う事業者に通常の経費控除を認めない規定です。大麻事業者の実効税率を極端に押し上げてきました。スケジュールIIIへ移行すれば対象外となり、税負担が大幅に下がるため、業界にとって最大級の関心事になっています。
Q4: 日本のCBD製品に影響はありますか?
米国の再分類が日本の法律を直接変えることはありません。日本は改正大麻取締法によるTHC残留限度値(油脂・粉末10ppm、水溶液0.1ppm、その他1ppm)の成分規制を維持しています。ただし米国で研究が進めば、医療エビデンスの蓄積を通じて将来の議論に間接的な影響を及ぼす可能性はあります。
Q5: 最終的に再分類が決まるのはいつですか?
明確な期日はまだありません。6月29日からの公聴会で審理が行われ、行政法判事の勧告を経てDEA長官が最終規則を発行します。手続きの性質上、完了までには早くても数ヶ月、長ければ年単位の時間がかかるとみられています。

米国の大麻政策は、断片的なニュースだけでは全体像をつかみにくいテーマです。本記事を起点に、気になる出来事は関連リンクから個別記事へ進み、最新の進展を追ってみてください。日本の制度との違いを理解するうえでは、まず改正大麻取締法日本の医療大麻制度の現状をあわせて読むと、両国の方向性の差がよりはっきり見えてきます。

参考情報源

  1. The White House政府資料アクセス日: 2026年6月14日
  2. Federal Register政府資料アクセス日: 2026年6月14日
  3. Federal Register政府資料アクセス日: 2026年6月14日
  4. U.S. Drug Enforcement Administration政府資料アクセス日: 2026年6月14日
  5. DEA Diversion Control Division政府資料アクセス日: 2026年6月14日

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