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大麻検挙2024年完全分析|6000人超・若年層7割の実態

ASA Media編集部
10分
大麻検挙2024年完全分析|6000人超・若年層7割の実態

この記事のポイント

✓ 令和6年の大麻事犯検挙人員は6,078人(警察庁)。前年の過去最多から減少もなお高水準

✓ 厚労省データでは2年連続で覚醒剤事犯を上回り、薬物情勢の構造的変化を示す

✓ 30歳未満が全体の7割超。10年前と比較して4.4倍に急増した若年層の実態

✓ 2024年12月12日施行の「大麻使用罪」新設が今後の統計にどう反映されるかが焦点

令和6年(2024年)の大麻事犯検挙人員が公表され、日本の薬物情勢における「構造的転換」が改めて浮き彫りになりました。警察庁の「令和6年における組織犯罪の情勢」によれば、大麻事犯の検挙人員は6,078人。前年(令和5年)の過去最多記録からは減少したものの、6,000人超の高水準が続いています。とりわけ30歳未満が全体の7割以上を占め、「若年者大麻乱用期」とも呼ぶべき状況が継続していることは、深刻な社会的課題です。なお、薬物事犯の詳細な年次統計は翌年に公表されるため、令和6年(2024年)のデータが2026年2月現在で入手可能な最新の公表統計です。

本記事では、警察庁・厚生労働省・DAPCの一次資料に基づき、令和6年の大麻検挙データを多角的に分析します。年齢層別の内訳、覚醒剤との逆転現象、10年間の推移、そして2024年12月施行の大麻使用罪が今後の統計に与える影響まで、データで読み解く日本の薬物情勢の現在地です。

令和6年の検挙データ概要

2つの公式数値が示す全体像

令和6年(2024年)の大麻事犯検挙人員については、公的機関から2つの数値が発表されています。警察庁「令和6年における組織犯罪の情勢」およびDAPCの統計では6,078人(前年比マイナス404人)、一方で厚生労働省の乱用防止運動プレスリリースでは6,342人と公表されています。264人の差は、集計対象の罪名区分や集計時期の違いによるものと考えられますが、いずれの数値でも「引き続き6,000人超の高水準」という評価は一致しています。

令和6年 大麻事犯検挙データ(主要指標)

検挙人員(警察庁発表): 6,078人(前年比 −404人)

検挙人員(厚労省発表): 6,342人

30歳未満の割合: 約7割超(厚労省ベースで約4,600人・72.5%)

初犯者率: 72.8%

覚醒剤との比較: 厚労省データでは2年連続で覚醒剤を上回る

薬物事犯全体の検挙人員: 13,462人

令和7年版警察白書によれば、令和6年の薬物事犯全体の検挙人員は13,462人で、うち大麻事犯が45.1%、覚醒剤事犯が45.5%を占めています。この比率は、長年「薬物犯罪の主役」であった覚醒剤と大麻がほぼ拮抗する状態にまで接近したことを示しています。

前年からの減少をどう読むか

令和5年(2023年)の大麻事犯検挙人員は過去最多を記録し、初めて覚醒剤事犯の検挙人員を上回りました。令和6年はそこからやや減少しましたが、この「減少」は慎重に解釈する必要があります。減少幅はわずか6〜7%にとどまり、平成26年(2014年)の1,761人と比較すれば依然として約3.5倍の水準です。一時的な変動の範囲内であり、増加トレンドが反転したとは言い切れません。

覚醒剤との逆転現象

歴史的な構造変化

日本の薬物情勢において、令和5年に起きた「大麻が覚醒剤を上回る」という逆転は、歴史的な転換点でした。長年にわたり、日本の薬物犯罪は覚醒剤が圧倒的多数を占めていました。しかし覚醒剤事犯の長期的な減少傾向のなかで大麻事犯は急増を続け、令和5年についに逆転しました。

令和6年については、集計機関によって結論が分かれています。厚生労働省発表のデータ(大麻6,342人 vs 覚醒剤6,306人)では令和6年も大麻が覚醒剤を上回り、2年連続の逆転が継続しています。一方、警察庁の数値(大麻6,078人 vs 覚醒剤6,124人)では覚醒剤がわずかに上回っており、集計対象の違いにより結論が異なる点には注意が必要です。

いずれにせよ、薬物事犯全体に占める大麻の比率は45.1%、覚醒剤は45.5%と、両者はほぼ拮抗する状態にまで接近しています。この変化は、使用者層の構造変化――具体的には若年層における大麻の浸透と、高齢化する覚醒剤使用者層の減少――を反映しています。

覚醒剤減少の背景

覚醒剤事犯の長期的な減少トレンドには複数の要因があります。第一に、覚醒剤の主要な使用者層が高齢化しており、自然減が進んでいること。第二に、暴力団の弱体化により、覚醒剤の流通ルートが縮小していること。第三に、長年の取り締まり強化が一定の抑止効果を発揮していること。これに対して大麻は、SNSなど従来の組織犯罪とは異なるルートで若年層に拡散しており、抑止が難しいという構造的な課題があります。

年齢層別データの分析

20代が最多、10代も1,100人超

令和6年の大麻事犯検挙人員の年齢別内訳は、日本の大麻問題が「若者の問題」であることを明確に示しています。DAPCの統計によれば、20〜29歳が3,350人で全年齢層中最多を占め、20歳未満が1,128人で続いています。合算すると30歳未満で4,478人にのぼり、全体の約73.7%を占めます(警察庁ベース6,078人での計算。厚労省ベースでは約72.5%)。

年齢層検挙人員(令和6年)全体に占める割合
20歳未満1,128人約18.6%
20〜29歳3,350人約55.1%
30歳以上約1,600人約26.3%

注目すべきは、20歳未満の内訳です。令和5年のデータでは、20歳未満1,222人のうち高校生214人、大学生235人、中学生21人が含まれていました。令和6年は1,128人と前年からやや減少しましたが、未成年の検挙人員が1,000人を超える状態が続いていることは、教育や予防の観点から深刻な問題です。

なぜ若年層で増加しているのか

若年層における大麻事犯の増加には、複数の要因が指摘されています。第一に、SNSを通じた入手経路の拡大があります。従来の対面取引と異なり、匿名性の高いSNS上で売買が行われるため、若年層でも容易にアクセスできる環境が形成されています。

第二に、海外における大麻合法化の報道が、若者の大麻に対する警戒感を低下させている可能性があります。カナダやアメリカの一部の州で合法化された情報がSNSを通じて広まり、「大麻は安全」という誤った認識が浸透しているとの指摘があります。

第三に、改正前の大麻取締法には使用罪がなかったことで、「使うだけなら罪にならない」という誤解が広がっていた影響も無視できません。この法の抜け穴は、2024年12月12日の法改正で塞がれましたが、その効果が統計に表れるのはこれからです。

10年間の推移で見る構造変化

検挙人員は10年で3.5倍に

大麻事犯の検挙人員を10年のスパンで見ると、増加の規模が鮮明になります。nippon.comの報道によれば、平成26年(2014年)の検挙人員1,761人から令和5年(2023年)には約3.7倍に増加。令和6年は前年からやや減少したものの、2014年比ではなお約3.5倍の水準にあります。

2014年(H26)

検挙人員: 1,761人。大麻事犯は薬物犯罪の中で少数派

2018年(H30)

検挙人員が3,000人台に到達。増加傾向が顕著に

2021年(R3)

5,000人を突破。「若年者大麻乱用期」の始まりとされる

2023年(R5)

過去最多を記録。初めて覚醒剤事犯を上回る歴史的転換

2024年(R6)

6,078人。覚醒剤とほぼ拮抗する高水準が継続

若年層の増加は10年で4.4倍

全体の増加以上に顕著なのが、若年層の急増です。厚生労働省の発表によれば、30歳未満の大麻事犯検挙人員は2015年(平成27年)の1,049人から2024年には約4,600人へと、10年間で4.4倍に増加しました。nippon.comの分析では、20歳未満に限ると同期間で約15.6倍という驚異的な増加率が報告されています。

この数字が意味するのは、大麻の問題が特定の年齢層に集中する「世代的現象」の様相を呈しているということです。現在の若年層が年齢を重ねたとき、30代以上の検挙人員も増加する可能性があり、中長期的な社会的影響が懸念されます。

初犯者率72.8%の意味

DAPCの統計では、令和6年の大麻事犯の初犯者率は72.8%でした。これは過去数年の中では最低水準にあたり、「再犯者の割合が増加している」ことを示唆しています。初犯者が多い一方で再犯者も増えているという二重構造は、一度の検挙が必ずしも抑止力になっていない現実を浮き彫りにしています。

改正法と使用罪の影響

使用罪施行は統計にまだ反映されていない

2024年12月12日、改正大麻取締法が施行され、「大麻使用罪」が新設されました。しかし、令和6年の年次統計(2024年1〜12月)は、使用罪施行前の期間が大部分を占めるため、使用罪の影響はまだ統計に十分には反映されていません。使用罪を適用した検挙のみを切り出したデータは、現時点では公表されていない状況です。

使用罪の効果が統計的に明確になるのは、令和7年(2025年)以降のデータが公表されてからになります。施行後最初の通年データとなる令和7年の検挙統計は、使用罪が実際にどの程度の抑止効果を発揮しているかを測る最初の指標となるでしょう。

法改正で何が変わったか

改正法のもとで大麻は「麻薬」として再分類され、所持・使用・譲渡は麻薬及び向精神薬取締法に基づいて規制されています。使用罪の罰則は7年以下の拘禁刑で、覚醒剤の使用と同等の厳格さです。さらに、国外犯処罰規定も設けられており、海外で合法的に大麻を使用した場合でも日本の法律で処罰される可能性があります。

Def Tech・Micro被告の逮捕事件が示すように、改正法施行後の検挙は「麻薬及び向精神薬取締法違反」として処理されます。法的な枠組みが変わったことで、今後の検挙統計の集計方法にも変化が生じる可能性があり、過去との単純な比較が難しくなる点にも注意が必要です。

今後の焦点

令和7年以降の統計では、以下の点が注目されます。使用罪の新設により検挙人員が増加するのか、それとも抑止効果により減少に転じるのか。使用罪適用の検挙が全体に占める割合はどの程度になるか。若年層の検挙人員に使用罪がどのような影響を与えるか。これらの問いに対する回答は、今後数年の統計データが蓄積されることで明らかになっていくでしょう。

CBD利用者が知るべきこと

大麻検挙データの増加や法改正の報道に触れ、合法的なCBD製品を使用している方が不安を感じることもあるかもしれません。しかし、改正法のもとでも、THC残留基準を満たした正規のCBD製品は引き続き合法です。

今回の法改正で重要なのは、「部位規制」から「成分規制」への移行です。従来の「茎・種子由来なら合法」という曖昧な基準から、THCの含有量という科学的・客観的な基準に変わりました。この変更は、正規のCBD製品を利用する消費者にとってはむしろ安心材料です。製品購入時にはCOA(第三者成分分析証明書)でTHC含有量が基準以下であることを確認し、信頼できるブランドの製品を選ぶことが重要です。

FAQ

Q1: 令和6年の大麻検挙人員はなぜ2つの数値があるのですか?

警察庁発表の6,078人と厚労省発表の6,342人の差(264人)は、集計する機関の違い、対象となる罪名区分の違い、集計時期の違いによるものと考えられます。警察庁は組織犯罪情勢の中で、厚労省は乱用防止運動のプレスリリースの中でそれぞれ独自に集計しています。いずれの数値でも「6,000人超の高水準が継続」という評価は一致しています。

Q2: 令和6年の統計に「使用罪」での検挙は含まれていますか?

大麻使用罪は2024年12月12日に施行されたため、令和6年の年次統計(1〜12月)のうち使用罪が適用されうるのは最後の約20日間のみです。使用罪適用の検挙のみを切り出したデータは現時点で公表されておらず、使用罪の影響が統計に明確に表れるのは令和7年以降のデータとなる見込みです。

Q3: なぜ若年層の検挙が増加しているのですか?

主な要因として、SNSを通じた入手経路の拡大、海外の合法化報道による抵抗感の低下、そして改正前の法律に使用罪がなかったことによる「使うだけなら罪にならない」という誤解の広まりが指摘されています。これらが複合的に作用し、特に10代後半〜20代で大麻へのアクセスと使用が拡大しています。

Q4: 合法的なCBD製品を使用していて検挙されることはありますか?

THC残留基準を満たした正規のCBD製品を使用する限り、検挙の対象にはなりません。改正法では成分規制に移行しており、THCを含まないCBD製品は明確に合法です。ただし、製品のCOA(成分分析証明書)を確認し、THC含有量が基準以下であることを確かめてから購入することが重要です。

まとめ

この記事のまとめ

令和6年の大麻事犯検挙人員は6,078人(警察庁)/ 6,342人(厚労省)。前年の過去最多からは減少したが依然として高水準

厚労省データでは2年連続で覚醒剤事犯を上回り、薬物情勢に構造的変化が生じている

30歳未満が72.5%を占め、20代が3,350人で最多。10年前比で若年層は4.4倍に急増

初犯者率72.8%は過去数年で最低水準。再犯者の増加という新たな課題も浮上

使用罪の効果は令和7年以降の統計に反映される見通し。今後の推移に注目が集まる

合法的なCBD製品はTHC残留基準を満たしていれば引き続き使用可能

参考文献

[1]
令和6年における組織犯罪の情勢について(ダイジェスト)
警察庁、2025年
[2]
第1項 薬物情勢(令和7年版 警察白書)
警察庁、2025年
[3]
薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ 令和6年統計
公益財団法人麻薬・覚醒剤乱用防止センター(DAPC)、2025年
[4]
麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動を実施します(令和6年度)
厚生労働省、2025年
[5]
大麻摘発6000人超と高水準 若年層7割、乱用期続く
日本経済新聞、2025年
[6]
23年の大麻事犯の検挙者6703人:過去最高を更新 初めて「覚せい剤」上回る
nippon.com、2024年
[7]
第1項 薬物情勢(令和6年版 警察白書)
警察庁、2024年
[8]
薬物事犯検挙状況・押収量 令和6年
警視庁
[9]
大麻の所持・譲渡、使用、栽培は禁止!法改正の内容も紹介します
政府広報オンライン、2024年12月

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