CBDV・CBGの抗炎症効果|2026年最新研究で判明した相乗作用

この記事のポイント
✓ CBDVがIL-6・TNF-α産生とNF-κB活性化を有意に抑制することが判明
✓ CBGを含む組み合わせが最も強力な相乗的抗炎症効果を発揮
✓ IBD(炎症性腸疾患)治療への応用可能性が示唆される

CBD以外のカンナビノイドにも注目が集まる中、2026年1月にチェコの研究チームが発表した最新研究が話題を呼んでいます。この研究では、**CBDV(カンナビジバリン)とCBG(カンナビゲロール)**という2つのマイナーカンナビノイドが、特に組み合わせて使用した際に強力な抗炎症効果を発揮することが明らかになりました。
本記事では、この最新研究の詳細と、CBDVおよびCBGの抗炎症メカニズム、そして炎症性腸疾患(IBD)への応用可能性について解説します。
2026年チェコ研究の概要
2026年1月、Journal of Ethnopharmacology誌に掲載された研究は、チェコ工科大学とチェコ科学アカデミーの研究者らによって実施されました。この研究では、Cannabis sativa L.(大麻草)由来の10種類の非精神活性フィトカンナビノイドの抗炎症効果を体系的に検証しています。
研究チームは、マクロファージに分化させたTHP-1細胞を用いて、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)の産生とNF-κB経路(免疫応答の主要な調節因子)の活性化を測定しました。
🔬 研究の主要な発見
CBDV: IL-6・TNF-α産生を有意に抑制、NF-κB活性化も抑制
CBG・CBN: 組み合わせで最も強力な抗炎症効果を発揮
相乗効果: 植物由来マトリックスとの組み合わせで効果が増強
検証された10種類のフィトカンナビノイドすべてがある程度の抗炎症活性を示しましたが、その中でもCBDVが最も顕著な効果を示しました。さらに、フィトカンナビノイドを植物由来マトリックス(大麻草の他の成分)と組み合わせると、相乗的な抗炎症効果が得られることも確認されました。
CBDVの抗炎症メカニズム
**CBDV(カンナビジバリン)**は、CBDと化学構造が類似したカンナビノイドです。非精神活性であり、日本では法的に規制されていません。
炎症性サイトカインの抑制
CBDVは、炎症の主要なメディエーターである**IL-6(インターロイキン-6)とTNF-α(腫瘍壊死因子α)**の産生を有意に抑制します。これらのサイトカインは、慢性炎症疾患において過剰に産生され、組織損傷や症状の悪化に関与しています。
NF-κB経路の抑制
NF-κB経路は、免疫応答と炎症の中心的な調節因子です。CBDVはこの経路の活性化を抑制することで、炎症カスケードの開始を阻止します。
TRPA1受容体を介した作用
CBDVは、TRPV1、TRPV2、TRPA1といったTRP(一過性受容体電位)チャネルに作用することが知られています。特にTRPA1受容体を介した作用が、腸管炎症の軽減に重要な役割を果たすことが報告されています。CBDVはTRPA1を介して好中球浸潤、腸管透過性、サイトカイン(IL-1β、IL-6、MCP-1)産生を抑制します。
CBGの抗炎症メカニズム
**CBG(カンナビゲロール)**は「母なるカンナビノイド」とも呼ばれ、THCやCBDの前駆体となる重要なカンナビノイドです。
JAK/STAT/NF-κB経路
CBGの抗炎症効果は、主にJAK/STAT/NF-κB経路を介して発揮されることが2025年の研究で明らかになっています。この経路は、関節リウマチなどの自己免疫疾患においても重要な役割を果たしており、CBGがこれらの疾患に対しても効果を持つ可能性が示唆されています。
CB2受容体を介した作用
CBGはCB2受容体を介して、マクロファージにおける一酸化窒素(NO)産生を抑制します。また、腸管上皮細胞における活性酸素種(ROS)の生成を減少させ、大腸炎モデルにおけるiNOS発現を抑制することが確認されています。
腸管炎症への効果
動物モデルにおいて、CBGは結腸粘膜下層の浮腫を軽減し、結腸の重量/長さ比(腸管炎症の信頼性の高いマーカー)を改善することが示されています。
| カンナビノイド | 主な作用経路 | 抗炎症メカニズム |
|---|---|---|
| CBDV | TRPA1、NF-κB | IL-6・TNF-α抑制、腸管透過性改善 |
| CBG | JAK/STAT/NF-κB、CB2 | NO産生抑制、ROS減少、iNOS抑制 |
| CBD | CB1/CB2、PPARγ | サイトカイン抑制、抗酸化作用 |
相乗効果とアントラージュ効果
2026年のチェコ研究で特に注目すべき点は、フィトカンナビノイドの組み合わせが単独使用よりも強力な抗炎症効果を発揮するという発見です。
CBG・CBNを含む組み合わせ
研究では、CBGまたはCBN(カンナビノール)を含む組み合わせが最も強力な抗炎症効果を示しました。これは、アントラージュ効果(複数のカンナビノイドやテルペンが協調して働くことで効果が増強される現象)の一例と考えられます。
植物由来マトリックスとの相乗効果
フィトカンナビノイドを大麻草由来の他の成分(テルペン、フラボノイドなど)と組み合わせると、抗炎症効果がさらに増強されることが確認されました。これは、単離されたカンナビノイドよりも、植物全体の抽出物(フルスペクトラム製品)がより効果的である可能性を示唆しています。
IBDへの応用可能性
**IBD(炎症性腸疾患)**は、クローン病や潰瘍性大腸炎を含む慢性腸管炎症疾患の総称です。CBDVとCBGの抗炎症効果は、IBD治療への応用可能性を示唆しています。
CBD+CBDV組み合わせ研究(2025年)
2025年に発表されたイスラエル工科大学(テクニオン)の研究では、CBD:CBDV=20:1の組み合わせがIBDに関連する腸管炎症を軽減することが示されました。
この研究では、IBDの発症に中心的な役割を果たす分子CXCR4(免疫細胞を炎症部位に誘導するケモカイン受容体)に注目しました。CBD+CBDV組み合わせは、複数の免疫細胞タイプにおいてCXCR4発現を有意に低下させました。
DSS誘発性大腸炎マウスモデル(ヒトIBDの広く使用されるモデル)において、このカンナビノイド組み合わせは以下の改善を示しました:
- 疾患活動性指標の改善
- 結腸長の維持(炎症により短縮するのを防ぐ)
- 組織健康度の向上
重要なのは、これらの改善がCB2ノックアウトマウスでは見られなかったことです。これは、治療効果がCB2受容体シグナルに依存していることを示しています。
FAQ
CBDVはCBDと化学構造が類似していますが、側鎖が短いという違いがあります。両者とも非精神活性ですが、CBDVは特にTRPチャネル(TRPV1、TRPV2、TRPA1)への作用が強く、腸管炎症への効果が注目されています。日本ではCBDVも合法です。
CBGは大麻草内でTHC、CBD、CBCなど他のカンナビノイドの前駆体となる物質です。大麻草が成長する過程で、CBGa(CBGの酸性型)が酵素によってTHCa、CBDa、CBCaに変換されます。この「親」としての役割から「母なるカンナビノイド」と呼ばれています。
現時点でCBDVやCBGはIBD治療薬として承認されていません。本記事で紹介した研究は主に前臨床段階のものであり、ヒトでの有効性と安全性は臨床試験で確認される必要があります。IBDの治療については必ず担当医にご相談ください。
まとめ
📝 この記事のまとめ
2026年チェコ研究でCBDVがIL-6・TNF-α・NF-κBを抑制する強力な抗炎症効果を確認
CBGはJAK/STAT/NF-κB経路とCB2受容体を介して抗炎症作用を発揮
CBG・CBNを含む組み合わせが相乗的な抗炎症効果を示す(アントラージュ効果)
CBD+CBDV組み合わせがIBDモデルで腸管炎症を軽減(CB2受容体依存的)
医療免責事項: 本記事は科学的知見の紹介を目的としており、医療アドバイスを提供するものではありません。炎症性疾患の治療については必ず医師にご相談ください。CBDVやCBGは現時点で医薬品として承認されていません。
参考文献
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