テアニン vs GABA vs CBD|睡眠サプリ徹底比較【2026年最新】

この記事のポイント
✓ テアニンは血液脳関門を通過して脳に直接作用し、複数のRCTで睡眠改善効果が実証済み
✓ GABAは血液脳関門を通過できず、睡眠改善効果の科学的根拠は乏しい
✓ CBDは単独での睡眠改善効果は限定的だが、8週間の継続摂取で睡眠の質向上が報告されている
睡眠の質を改善するサプリメントとして、テアニン、GABA、そしてCBD(カンナビジオール)は注目を集める3大成分です。機能性表示食品のGABA配合製品は2024年1月時点で931件の届出があり、CBDも近年急速に市場が拡大しています。しかし、これらの成分には科学的なエビデンスレベルに大きな違いがあることをご存知でしょうか。本記事では、最新の臨床試験データと科学的研究をもとに、テアニン・GABA・CBDの効果の違いを徹底的に比較し、あなたの睡眠の悩みに合った成分の選び方を解説します。
テアニン・GABA・CBDの基本情報
睡眠サプリの成分として広く使用されているテアニン、GABA、そしてCBDですが、その由来や作用メカニズムは大きく異なります。まずは各成分の基本的な特徴を理解しましょう。
テアニン(L-テアニン)とは
テアニン(L-テアニン)は、緑茶や抹茶などの茶葉に含まれるアミノ酸の一種です。特に玉露や抹茶といった高級茶に多く含まれており、お茶を飲んだときに感じるリラックス効果の主要因とされています。テアニンは1949年に京都府立大学の酒戸弥二郎博士によって発見され、以来70年以上にわたって研究が続けられてきました。
テアニンの特筆すべき点は、脳内の神経伝達物質に直接働きかける能力です。経口摂取されたテアニンは腸管から吸収され、血液脳関門を通過して脳内に到達します。脳内では、興奮系の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きを抑制し、GABA、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスを調整します。
テアニンの主な期待される効果には、リラックス効果(α波の増加)、睡眠の質改善(中途覚醒の減少)、ストレス軽減、集中力の向上などがあります。
GABA(γ-アミノ酪酸)とは
GABA(γ-アミノ酪酸、ガンマアミノ酪酸)は、私たちの体内で作られる抑制性の神経伝達物質です。正式名称はGamma Amino Butyric Acidで、脳や脊髄に多く存在し、興奮した神経を鎮める働きをしています。GABAは発芽玄米、トマト、なす、かぼちゃなどの野菜にも含まれており、食品からも摂取できます。
脳内でGABAは、副交感神経を優位にして興奮を抑え、リラックス状態をもたらす重要な役割を果たしています。GABAの受容体が活性化されると、神経細胞の興奮が抑制され、不安や緊張が和らぐとされています。
GABAに期待される効果としては、リラックス効果、ストレス軽減、血圧低下、睡眠サポートなどが挙げられます。ただし後述するように、経口摂取したGABAがこれらの効果を発揮するかどうかについては、科学的な議論が続いています。
CBD(カンナビジオール)とは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草(ヘンプ)から抽出されるカンナビノイドの一種です。THC(テトラヒドロカンナビノール)とは異なり、精神活性作用がなく、WHO(世界保健機関)にも安全性が認められています。日本では2024年12月12日施行の改正大麻取締法により、THC含有量が基準値以下のCBD製品は合法的に販売・使用できます。
CBDは体内のエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用し、CB1・CB2受容体やセロトニン受容体(5-HT1A)に働きかけます。これにより、不安の軽減、炎症の抑制、痛みの緩和などの効果が期待されており、睡眠への影響も研究されています。
CBDに期待される効果としては、不安軽減、抗炎症作用、慢性痛の緩和、睡眠サポートなどが挙げられます。ただし、睡眠改善効果については後述するように、単独使用での科学的根拠は限定的であることが最新の研究で明らかになっています。
科学的エビデンスで比較
テアニンとGABAの効果を科学的に評価するには、臨床試験のデータを比較することが重要です。ここでは、最新のシステマティックレビューやメタ解析を含む研究結果を紹介します。
テアニンの臨床試験データ
テアニンの睡眠への効果は、複数の質の高い臨床試験で検証されています。2025年に発表されたシステマティックレビューでは、19件のランダム化比較試験(被験者897名)を分析し、テアニンの睡眠改善効果が統計的に有意であることが確認されました。
具体的には、テアニン摂取により主観的な入眠潜時(眠りにつくまでの時間)の改善、日中の機能障害の軽減、全体的な睡眠の質スコアの向上が認められています。特に200〜450mg/日のテアニン摂取は、健康な成人の睡眠を安全かつ効果的にサポートする方法であると結論づけられています。
日本で行われた臨床試験でも、成人男性がテアニンを6日間摂取した結果、起床時のリフレッシュ感の改善と睡眠中の中途覚醒時間の短縮が確認されています。また、閉経後の中年女性20名を対象とした二重盲検試験では、テアニン200mg摂取により睡眠中の交感神経活動が減少し、副交感神経活動が増加したことが報告されています。
テアニンがリラックス効果をもたらすメカニズムとして、α波の増加が挙げられます。研究によると、テアニン摂取後30〜40分でα波(リラックス時に出現する脳波)の発現が活発化し、この効果は少なくとも2時間持続することが確認されています。テアニンの濃度が高いほどα波が強く現れることから、リラックス効果は摂取量に比例すると考えられています。
GABAの臨床試験データ
一方、GABAの睡眠改善効果については、科学的根拠が限定的であるという見解が専門家の間で広まっています。2020年に行われたGABAの睡眠への効果に関するメタ解析では、収集された全ての論文(11件)で著者に利益相反があることが指摘されており、結果にバイアスがかかっている可能性が示唆されています。
さらに、高用量のGABA(200mg/日以上)を使用した複数の研究を統合したメタ解析でも、睡眠に対するポジティブな影響はほとんど観察されなかったと報告されています。このことから、GABAサプリメントの睡眠改善効果に関しては、根拠が非常に乏しいと結論づける専門家もいます。
ただし、GABAにはストレス低減効果については限定的ながら証拠があるとされています。また、血圧低下作用については比較的多くの研究で効果が認められています。
CBDの臨床試験データ
CBDの睡眠への効果については、2025年に発表された最新のシステマティックレビュー・メタ解析で重要な知見が得られています。Sleep Medicine Reviewsに掲載されたこの研究では、6件のランダム化比較試験(被験者1,077名)を分析した結果、CBD単独では睡眠の質に対する統計的に有意な改善効果は認められなかったと報告されています。
研究者らは「THCやCBN(カンナビノール)を含む製剤では睡眠の質の改善が確認されたが、CBD単独の介入では有意な効果は示されなかった」と結論づけています。これは、CBDの睡眠改善効果を期待してサプリメントを選ぶ際に重要な情報です。
一方で、継続摂取による効果を示唆する研究もあります。2023年に発表された8週間の臨床試験では、CBD 50mgを毎日摂取した被験者群において、プラセボ群と比較して睡眠の質スコアの有意な改善が報告されました。また、日本の早稲田大学睡眠研究所が実施した臨床試験でも、CBDオイルを3日間継続摂取した場合に睡眠の質の改善が示唆されています。
これらの結果から、CBDの睡眠効果は「即効性」ではなく「継続摂取による累積効果」である可能性が考えられます。ただし、エビデンスレベルはテアニンと比較すると低く、さらなる研究が必要とされています。
併用効果の研究
興味深いことに、テアニンとGABAを併用した場合の研究では、相乗効果が報告されています。2019年に発表された研究では、GABA/テアニン混合物(100/20mg/kg)を投与したところ、GABAまたはテアニン単独と比較して、入眠潜時が14.9〜20.7%短縮し、睡眠時間が26.8〜87.3%延長したことが確認されました。
また、REM睡眠が99.6%増加し、ノンREM睡眠も20.6%増加したという結果も得られています。この研究では、GABA/テアニン混合物の投与により、脳内のGABAおよびグルタミン酸GluN1受容体サブユニットの発現が増加したことも確認されています。
人間を対象とした探索的研究でも、GABA(700mg/日)とテアニン(200mg/日)を4週間併用した19名の参加者において、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)の総合スコアが9.42から6.26に有意に改善したことが報告されています。
血液脳関門と吸収の違い
テアニンとGABAの最も重要な違いは、経口摂取後に脳に届くかどうかという点です。この違いが、両成分の効果の差を生む根本的な原因となっています。
テアニンは脳に届く
テアニン(L-テアニン)は、経口摂取後に腸管から吸収され、血液に入り、そして血液脳関門(BBB: Blood-Brain Barrier)を通過して脳内に到達することができます。血液脳関門とは、血液中の物質が脳に無制限に入り込むことを防ぐバリア機能のことで、特定の物質のみを選択的に通過させます。
テアニンが脳内に到達すると、以下のような作用を発揮します。まず、興奮系の神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体を競合的に阻害し、過度な神経興奮を抑制します。次に、GABA、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の濃度を変化させ、リラックス状態を促進します。そして、α波の発現を促進し、心身のリラックスをもたらします。
GABAは脳に届かない
一方、GABA(γ-アミノ酪酸)は血液脳関門を通過できないことが科学的に確認されています。1969年の研究以来、経口摂取したGABAが脳内には届かないことが繰り返し確認されてきました。
GABAは分子量103の中分子で、水溶性の物質です。血液脳関門は、このような特性を持つ物質を脳内に通しにくい構造になっています。そのため、サプリメントやチョコレートからGABAを摂取しても、それが脳内で神経伝達物質としてそのまま働くことはないと考えられています。
では、GABAサプリメントは全く効果がないのでしょうか。実は、GABAが脳に直接届かなくても、間接的に効果を発揮する可能性を示唆する研究もあります。経口摂取したGABAは、血管壁を通じて血管周囲の交感神経の働きを抑制し、血管を拡張して血圧を低下させることで、リラックス作用をもたらす可能性があります。また、腸には脳と同様にGABAの受容体が存在し、腸脳相関(腸と脳をつなぐ迷走神経を介したコミュニケーション)を通じて、間接的に脳に影響を与える可能性も研究されています。
ただし、これらの間接的なメカニズムについては、まだ研究段階であり、確定的な結論は出ていません。
CBDは脳に届く(ただし作用は複雑)
CBDは脂溶性の分子であり、血液脳関門を通過して脳内に到達することができます。しかし、CBDの作用メカニズムはテアニンやGABAとは大きく異なります。
CBDは特定の受容体に強く結合するのではなく、エンドカンナビノイドシステム全体を調整する働きがあります。セロトニン受容体(5-HT1A)への作用により抗不安効果が期待されますが、睡眠に直接作用するメカニズムは完全には解明されていません。最新のメタ解析で「CBD単独では睡眠改善効果が限定的」とされた理由の一つは、この作用の複雑さにあると考えられています。
効果の違いを徹底比較
ここまでの情報をもとに、テアニン・GABA・CBDの効果を比較表にまとめます。
| 比較項目 | テアニン | GABA | CBD |
|---|---|---|---|
| 由来 | 緑茶・抹茶などの茶葉 | 発芽玄米・野菜・体内合成 | 大麻草(ヘンプ) |
| 血液脳関門通過 | 通過できる | 通過できない | 通過できる |
| 睡眠改善エビデンス | 強い(複数のRCTで実証) | 弱い(根拠が乏しい) | 限定的(単独では効果不明確) |
| α波増加効果 | 実証済み(30-40分後) | 直接的な証拠なし | 報告あり(研究限定的) |
| 推奨摂取量 | 200〜400mg/日 | 100〜200mg/日 | 25〜150mg/日 |
| 効果発現時間 | 約40分後 | 不明確 | 継続摂取で効果(数週間) |
| ストレス・不安軽減 | 実証済み | 限定的な証拠 | 実証済み(不安軽減) |
| 副作用 | ほとんどなし | ほとんどなし | 眠気・倦怠感・下痢など |
| 法的状況(日本) | 完全合法 | 完全合法 | THC基準値以下で合法 |
| 入手しやすさ | 非常に容易 | 非常に容易 | やや限定的 |
この比較から明らかなように、即効性のある睡眠改善を求めるならテアニンが最も科学的根拠が強いといえます。CBDは単独での睡眠改善効果は限定的ですが、不安軽減効果は実証されており、継続摂取による睡眠の質向上も報告されています。GABAは睡眠改善効果の根拠が乏しいものの、血圧低下作用があり、高血圧傾向のある方にはメリットがある可能性があります。
悩み別の選び方ガイド
睡眠に関する悩みは人それぞれです。ここでは、具体的な悩み別に最適な成分の選び方を提案します。
寝つきが悪い(入眠困難)
寝つきの改善には、テアニンが最も適しています。テアニンはα波を増加させてリラックス状態を促進し、入眠をスムーズにする効果が臨床試験で確認されています。就寝の40分〜1時間前に200mgのテアニンを摂取することをおすすめします。
さらに効果を高めたい場合は、テアニンとGABAの併用製品を選ぶのも一つの方法です。研究によると、両成分の併用により入眠潜時が14.9〜20.7%短縮したという結果が報告されています。
眠りが浅い・中途覚醒が多い
睡眠の深さを改善したい場合も、テアニンが第一選択肢となります。日本で行われた臨床試験では、テアニン摂取により中途覚醒時間の短縮が確認されています。また、テアニン/GABA混合物の研究では、ノンREM睡眠(深い睡眠)が20.6%増加したことが報告されています。
起床時の疲労感がとれない
朝の目覚めの改善には、テアニンが効果的です。複数の研究で、テアニン摂取により起床時のリフレッシュ感、熟眠感、疲労回復感の改善が認められています。テアニンは睡眠薬のような強い催眠作用がなく、翌日の眠気に影響しないことも確認されています。
ストレスによる不眠
ストレスや不安が原因で眠れない場合は、CBDが有力な選択肢となります。CBDの抗不安効果は複数の臨床試験で実証されており、不安を軽減することで間接的に睡眠の質を改善する可能性があります。テアニンとの併用も検討に値します。
また、テアニンには脳に直接働きかけるリラックス効果があり、α波を増加させてストレス性の不眠を改善する効果が期待できます。
長期的な睡眠の質改善を目指す場合
即効性よりも長期的な睡眠の質改善を重視する場合は、CBDの継続摂取を検討してください。8週間の臨床試験では、CBD 50mgを毎日摂取することで睡眠の質スコアの有意な改善が報告されています。ただし、効果が現れるまでに数週間かかる可能性があることを理解しておく必要があります。
サプリ選びのポイント
睡眠サプリメントを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
機能性表示食品を選ぶ
機能性表示食品は、科学的根拠に基づいた機能性を表示することが認められた食品です。消費者庁に届け出が受理されており、一定の品質基準を満たしています。特にテアニンやGABAの睡眠サポート効果を謳った製品を選ぶ際は、機能性表示食品であることを確認しましょう。
適切な含有量を確認
テアニンは200mg以上の摂取で効果があらわれることが研究で示されています。サプリメントを選ぶ際は、1日の摂取目安量にテアニンが200mg以上含まれているかを確認してください。GABAの場合は、100〜200mg程度が一般的な摂取量です。
GMP認定マークの確認
GMP(Good Manufacturing Practice)認定は、製造工程における品質管理基準を満たした工場で生産されていることを示すマークです。品質にこだわるなら、GMP認定マークがついた製品を選ぶことをおすすめします。
降圧剤との併用に注意
テアニンとGABAはいずれも血圧への影響が報告されています。降圧剤を服用している方は、これらのサプリメントを摂取する前に必ず医師に相談してください。血圧が下がりすぎる可能性があります。
CBD製品を選ぶ際の注意点
CBD製品を選ぶ際は、以下の点に特に注意が必要です。まず、THC含有量が法定基準値以下であることを確認してください。2024年12月12日施行の改正大麻取締法では、製品形態ごとに残留THC限度値が設定されています。信頼できるブランドの製品を選び、第三者機関による成分分析証明書(COA)が公開されているかを確認しましょう。
また、CBDは眠気や倦怠感、下痢などの副作用が報告されています。初めて使用する場合は少量から始め、体調の変化を観察することをおすすめします。
FAQ
まとめ
テアニン・GABA・CBDは、いずれも睡眠サポートを謳うサプリメントに使用されていますが、科学的エビデンスには明確な違いがあります。
テアニンは血液脳関門を通過して脳に直接作用し、α波の増加、入眠潜時の短縮、中途覚醒の減少といった効果が複数の質の高い臨床試験で実証されています。即効性があり、摂取後約40分で効果が発現するため、すぐに睡眠改善を実感したい方に最適です。
GABAは血液脳関門を通過できないため、睡眠改善効果の科学的根拠は乏しいのが現状です。ただし、血圧低下作用は確認されており、高血圧傾向のある方には副次的なメリットがある可能性があります。
**CBD**については、2025年のメタ解析で「単独では睡眠改善効果が統計的に有意ではない」と報告されました。しかし、8週間の継続摂取で睡眠の質が向上したという研究もあり、即効性よりも長期的な累積効果が期待される成分です。特にCBDの抗不安効果は実証されており、不安やストレスが原因の不眠には有効な選択肢となりえます。
サプリメントはあくまで睡眠の質をサポートするものであり、睡眠障害や不眠症でお困りの方は、必ず医療機関を受診してください。
この記事のまとめ
睡眠サプリの3大成分を比較した結果、即効性を求めるならテアニンが最もエビデンスが強く、摂取後40分でα波増加が確認されています。GABAは血液脳関門を通過できず睡眠改善効果の根拠は乏しいです。CBDは2025年のメタ解析で単独での睡眠改善効果は限定的とされましたが、8週間の継続摂取で睡眠の質向上が報告されており、特に不安軽減効果は実証済みです。ストレスや不安が原因の不眠にはCBDが有力な選択肢となります。
参考文献
免責事項: この記事は情報提供を目的としており、医療アドバイスを提供するものではありません。サプリメントの摂取を開始する前に、特に持病がある方、妊娠中・授乳中の方、薬を服用中の方は、必ず医師にご相談ください。睡眠に関する深刻な問題がある場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。
この記事の関連用語
クリックで用語の詳しい解説を見る
関連記事
この記事を読んだ人はこちらも読んでいます









