難治性てんかんとは?CBD医薬品による新しい治療の可能性を解説

難治性てんかんとは?CBD医薬品による新しい治療の可能性を解説
難治性てんかん(薬剤抵抗性てんかん)は、適切な抗てんかん薬を複数試しても発作がコントロールできない状態を指します。日本では推定20〜30万人が難治性てんかんに苦しんでおり、従来の治療法では十分な効果が得られない患者さんにとって、CBD(カンナビジオール)由来医薬品の登場は新たな希望となっています。
難治性てんかんは、2〜3種類以上の抗てんかん薬を2年以上使用しても発作が抑制されない状態です。てんかん患者全体の20〜30%が該当し、日本では約20〜30万人と推定されています。代表的な疾患にドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群があり、2018年にFDA承認されたCBD医薬品エピディオレックスが新たな治療選択肢として注目されています。
難治性てんかんの定義
難治性てんかん(refractory epilepsy)は、「薬剤抵抗性てんかん」「治療抵抗性てんかん」とも呼ばれ、国際的な定義に基づいて診断されます。
国際的な定義
国際抗てんかん連盟(ILAE)は2010年に、薬剤抵抗性てんかんを「適切に選択され、十分な量が投与された2種類の抗てんかん薬(単剤または併用)を試しても、持続的な発作消失が得られない状態」と定義しました。
- そのてんかん症候群または発作型に適切な抗てんかん薬2〜3種類以上を使用
- 単剤または多剤併用で、十分な用量を投与
- 2年以上治療を継続
- それでも1年以上発作が抑制されない
- 日常生活に支障をきたしている
「見せかけの難治性」に注意
発作がコントロールできない場合でも、診断の誤り、薬剤選択の誤り、用量の誤り、服薬コンプライアンス不良などの場合は「見せかけの難治性てんかん」と呼ばれ、真の難治性ではありません。
日本における患者数
日本におけるてんかん患者数は約100万人と推定されています。てんかん患者のうち、70〜80%は抗てんかん薬や外科治療により発作をコントロールできますが、残りの20〜30%が難治性てんかんに該当し、日本国内では推定20〜30万人の患者がいます。
- てんかん患者全体:約100万人
- 難治性てんかん患者:約20〜30万人(全体の20〜30%)
- ドラベ症候群:約3,000人
- レノックス・ガストー症候群:約4,300人
- 結節性硬化症に伴うてんかん:約4,000〜12,000人
代表的な難治性てんかん症候群
ドラベ症候群(DS)
発症時期: 生後1年以内(多くは6ヶ月頃)
特徴:
- 発熱時に長時間の痙攣発作
- SCN1A遺伝子の変異が原因
- 発達遅滞を伴うことが多い
日本の患者数: 約3,000人
CBD治療効果: 痙攣発作39%減少(プラセボ比)
レノックス・ガストー症候群(LGS)
発症時期: 3〜5歳が多い
特徴:
- 複数の発作型が混在
- 脱力発作(ドロップアタック)が特徴的
- 知的障害を伴うことが多い
日本の患者数: 約4,300人
CBD治療効果: ドロップ発作44%減少(プラセボ比)
結節性硬化症は全身に良性腫瘍が発生する遺伝性疾患で、約80%の患者がてんかん発作を経験します。2020年にエピディオレックスの適応症として追加され、臨床試験では発作頻度が48%減少することが示されました。
従来の治療法
難治性てんかんに対しては、薬物療法の最適化に加え、複数の治療選択肢があります。
薬物療法の再検討
異なる作用機序を持つ抗てんかん薬を組み合わせたり、ペランパネル、ラコサミドなど新しい薬剤を検討します。
外科治療
薬物療法で十分な効果が得られない場合、発作焦点の切除術、脳梁離断術、迷走神経刺激術(VNS)などを検討します。
その他の特殊療法
ケトン食療法は、高脂肪・低炭水化物の食事療法で、特に小児の難治性てんかんに効果があります。約50%の患者で発作が半減するという報告があります。
CBD医薬品による治療
エピディオレックスの承認
2018年、米国FDAは大麻草由来のCBDを有効成分とするエピディオレックスを、ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療薬として承認しました。
FDA承認
ドラベ症候群・レノックス・ガストー症候群に対して承認
欧州承認
EMAがEPIDYOLEXとして承認
適応拡大
結節性硬化症が適応症に追加
日本で希少疾病用医薬品指定
国内承認に向けた重要なステップ
臨床試験の結果
| 対象疾患 | 評価項目 | CBD群 | プラセボ群 |
|---|---|---|---|
| ドラベ症候群 | 痙攣発作減少率(中央値) | 39% | 13% |
| ドラベ症候群 | 50%以上減少した患者 | 43% | 27% |
| LGS | ドロップ発作減少率 | 44% | 22% |
| TSC | 発作減少率 | 48% | 27% |
日本での状況
2024年12月12日に施行された改正大麻取締法により、大麻草由来医薬品の製造・使用が法的に可能となりました。エピディオレックスは2024年4月に希少疾病用医薬品に指定され、現在国内で治験が進行中です。
エピディオレックスが日本で承認されれば、これまで有効な治療法がなかった難治性てんかん患者に新たな選択肢を提供することになります。特にドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群の患者とその家族にとって、長年の悲願が実現する可能性があります。
FAQ
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まとめ
難治性てんかんは日本で約20〜30万人の患者がいる深刻な疾患です。2018年にFDA承認されたCBD医薬品エピディオレックスが新たな治療選択肢として注目されており、2024年12月の改正大麻取締法施行により、日本でも承認への道が開かれました。
参考文献
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