CBGは安全?25〜200mgの初ヒト用量試験を解説

この記事のポイント
- 2026年Phase 1試験では、健康な成人12人がCBGを25・50・100・200mgずつ単回摂取した
重い有害事象や明確な認知・運転課題の低下は確認されなかったが、長期安全性を証明した試験ではない
- 血中濃度の個人差が大きく、200mgは市販製品の推奨量を示す数字ではない
CBG(カンナビゲロール)は、CBDに次ぐ非酩酊性カンナビノイドとして製品への採用が増えています。しかし、ヒトでどの程度吸収され、用量が上がると何が起きるのかという基礎データは限られていました。
2026年7月、Johns Hopkins大学などの研究チームが、CBG 25〜200mgの単回投与を健康な成人で検証したPhase 1試験を発表しました。結論を先に言えば、試験条件下では概ね良好な忍容性が確認されました。ただし、参加者は12人で、反復摂取や持病のある人を調べた研究ではありません。
2026年CBG Phase 1試験の設計
この研究は、二重盲検、被験者内、プラセボ対照の単回漸増用量試験です。12人の健康な成人が、1週間以上の間隔を空けながら、プラセボとCBG 25mg、50mg、100mg、200mgの各条件を経験しました。各回は高脂肪の朝食後にオイル製剤を摂取し、その後8時間にわたり観察されています。
| 項目 | 試験内容 | 読み解くポイント |
|---|---|---|
| 参加者 | 健康な成人12人 | 小規模で、患者や高齢者には直接当てはめられない |
| 用量 | 25・50・100・200mgとプラセボ | 各用量は単回投与で、日常の推奨量ではない |
| 観察時間 | 摂取後8時間 | 急性反応は見られるが、長期影響は分からない |
| 主な評価 | 有害事象、主観作用、認知、運転課題、血中濃度、肝機能 | 安全性と体内動態を中心に見たPhase 1試験 |
| 摂取条件 | 高脂肪食の後にオイル製剤 | 空腹時や別製剤では吸収が変わる可能性がある |
研究者は気分や薬物作用の自己評価に加え、注意力、記憶、反応抑制、運転を模したアプリ課題、血圧・心拍数、肝機能指標を確認しました。さらに採血を繰り返し、CBGがいつ、どの程度血中へ現れるかを測定しています。
25〜200mgで分かった安全性
試験では、CBGが原因と判定された有害事象は報告されず、重篤な有害事象も確認されませんでした。200mg条件で一過性の軽いめまいと血圧上昇が各1件ありましたが、研究者はCBGとの因果関係を認めていません。
認知、注意、反応抑制、運転を模した課題にも、用量に応じて悪化する明確な傾向は見られませんでした。また、100mgと200mgの条件で確認したALT、AST、ビリルビンは正常範囲内にとどまりました。
一方、主観的な変化が完全にゼロだったわけではありません。50mgでは「活動的」「そわそわする」という評価が低下し、100mgでは「落ち着いている」が低下、200mgでは食欲が上がる傾向が示されました。ただし、用量が増えるほど一方向に強くなる反応ではなく、12人の探索的試験であるため再現性の確認が必要です。
「200mgまで安全」の意味に注意
この試験が示したのは、健康な成人12人が管理された環境で単回摂取した際の忍容性です。毎日200mgを長期間摂っても安全、病気の治療に有効、市販品の200mgを推奨する、という意味ではありません。
CBGの血中濃度は2〜3時間でピーク
血中CBG濃度は用量とともに上昇し、概ね摂取後2〜3時間で最大になりました。平均最大血中濃度は25mgで0.9ng/mL、50mgで3.9ng/mL、100mgで10.6ng/mL、200mgで30.5ng/mLです。
ただし、同じ用量でも参加者間のばらつきは大きく、単純な比例関係ではありませんでした。高脂肪食が吸収を高めた可能性もあるため、ラベルに同じ「CBG 25mg」と書かれていても、食事、製剤、個人差によって体内への入り方が変わり得ます。
CBDを食後に摂る場合の吸収でも同様に、カンナビノイドは摂取条件の影響を受けます。数値だけを比べるより、製品形態と使用条件を揃えて考えることが重要です。
これまでのCBGヒト試験との違い
2024年の二重盲検クロスオーバー試験では、健康な成人34人がCBG 20mgまたはプラセボを単回摂取しました。主観的不安はCBG条件で平均0.95ポイント、プラセボ条件で0.66ポイント低下し、認知・運動機能の低下は確認されませんでした。ただし、特性不安尺度では明確な差が出ず、研究チームも再現試験の必要性を強調しています。
また、2023年の小規模試験は、CBD 35mg、CBG 50mg、β-カリオフィレン、分岐鎖アミノ酸、マグネシウムを含む飲料粉末を3.5日間検証しました。忍容性は概ね良好でしたが、複数成分を含むため、結果をCBG単独の作用とは判断できません。
今回のPhase 1試験の価値は、CBG単独を25〜200mgまで比較し、血中濃度と急性安全性の基礎を示した点です。その一方で、不安、睡眠、痛み、集中力などへの治療効果を検証した研究ではありません。
研究からは分からない5つのこと
第一に、12人という規模では頻度の低い副作用を把握できません。第二に、単回投与のため、毎日続けた場合の蓄積や肝機能への影響は不明です。第三に、健康な成人のみで、服薬中の人、妊娠・授乳中の人、肝疾患のある人、高齢者は検証されていません。
第四に、高脂肪食後のオイル製剤という条件は、ベイプ、グミ、舌下オイルなどすべての製品に当てはまりません。第五に、安全性を調べるPhase 1試験であり、「200mgの方が25mgより効く」と示した研究ではありません。
とくに服薬中の人は慎重な判断が必要です。CBGの薬物相互作用に関するヒトデータはまだ不足しています。CBDには一部の薬物代謝酵素へ影響するデータがあるため、CBDと薬の飲み合わせも参考にし、医師または薬剤師へ相談してください。
日本でCBG製品を選ぶ際の確認点
日本では、CBGそのものに一般的な一律禁止が設けられているわけではありません。ただし、大麻草由来製品は、製品中のTHCが法定の残留限度値を超えると麻薬に該当します。厚生労働省が示す限度値は、油脂・粉末10ppm、水溶液0.1ppm、その他1ppmです。
製品を選ぶ際は、COA(成分分析証明書)のロット番号が現物と一致し、CBG量とTHC検査結果が確認できることが最低条件です。農薬、重金属、残留溶媒、微生物の検査も確認し、含有量だけで「高濃度ほど優れている」と判断しないでください。
初めて使う場合は、CBDとCBGを同時に増やすと、どちらによる変化か分かりにくくなります。CBD・CBGスターターキットの選び方でCOAと濃度を確認し、製品表示を守って一度に複数条件を変えない方法が現実的です。
FAQ
健康な成人12人への単回投与では、25〜200mgで概ね良好な忍容性が確認されました。ただし、長期摂取、持病、服薬、異なる製剤まで安全と証明した研究ではなく、200mgを推奨する結果でもありません。
今回の高脂肪食後のオイル製剤では、血中濃度は概ね2〜3時間で最大になりました。製品形態、食事、体質で変わるため、すべてのCBG製品に同じ時間を適用することはできません。
12人の試験では、運転を模したアプリ課題や認知課題に明確な低下は見られませんでした。ただし、実車運転の安全性を証明した研究ではありません。体調変化を感じた場合は運転や危険作業を避けてください。
小規模な併用試験はありますが、組み合わせの最適比率や長期安全性は確立していません。初回から両方を増やすと原因を切り分けにくいため、製品表示を守り、服薬中なら医療者へ相談してください。
まとめ
研究の結論
2026年のPhase 1試験は、CBG 25〜200mgの単回投与が健康な成人12人で概ね良好に忍容されたことを示しました。血中濃度は2〜3時間でピークに達した一方、個人差は大きく、治療効果や長期安全性は未確立です。
今回の結果は、CBG研究に不足していた用量別の基礎データを補う重要な一歩です。しかし、「高用量でも効く」「200mgまで日常使用できる」と読み替えるのは早計です。日本で製品を選ぶ場合は、用量の大きさより、ロット対応COA、THC残留限度値、第三者検査、服薬状況を優先してください。
参考文献
Safety, Pharmacodynamics, and Pharmacokinetics of Oral Cannabigerol (CBG) in Healthy Adults
A Study to Evaluate the Effects and Safety of Oral Cannabigerol (CBG) in Healthy Adults
Acute effects of cannabigerol on anxiety, stress, and mood
A randomized, double-blind, placebo-controlled, repeated-dose pilot study of a CBD- and CBG-based beverage powder
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