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SquareがCBD・ヘンプ販売停止を通知|米国決済規制と事業者への影響【2026年】

ASA Media編集部
9分
SquareがCBD・ヘンプ販売停止を通知|米国決済規制と事業者への影響【2026年】

米国の決済サービスSquareが、CBD・ヘンプ由来製品を扱う一部事業者に対し、プラットフォーム上での販売を終了するよう通知したと報じられました。背景にあるのは、2026年11月12日に発効予定の米国連邦法上の「ヘンプ」定義変更です。

今回の動きは「米国でCBDが一律違法になる」という単純な話ではありません。一方で、規制の対象にならない可能性がある製品まで決済事業者が広く取り扱いを止めれば、合法なCBD市場にも影響が及びます。

この記事では、報道で確認できるSquareの通知内容、連邦法の変更点、日本の消費者・事業者が混同してはいけないポイントを整理します。

SquareのCBD・ヘンプ販売停止通知で何が起きたのか

Marijuana Momentは、SquareがCBD・ヘンプ由来製品を販売する事業者へメールを送り、同社プラットフォームでこれらの製品を扱えなくなると通知したと報じています。

業界向けPOS企業Cova Softwareの報道によると、CBD・ヘンプ関連が主力の事業者には2026年11月5日のアカウント終了が案内され、一般商品と併売する事業者には、より早い時期までに対象商品をカタログから削除するよう求める通知もあるとされています。

ただし、ここで区別すべき事実があります。

  • 報道:事業者宛てメールでCBD・ヘンプ商品の取り扱い終了が通知された
  • Squareの公開ページ:0.3%以下のTHCを含むヘンプ由来CBD商品向けプログラムの説明が残っている
  • 連邦法:新しいヘンプ定義は2026年11月12日に発効予定
  • 議会:発効延期や別の規制枠組みを求める動きが続いている

したがって、現時点では「Squareが世界中でCBD決済を直ちに全面停止した」と理解するのは不正確です。報道された通知は米国事業者向けであり、公開規約との更新時差や対象範囲を継続して確認する必要があります。

背景にある米国の「ヘンプ」定義変更

米国議会調査局(CRS)によると、2025年に成立した法律は連邦法上のヘンプ定義を変更し、2026年11月12日から新基準を適用する予定です。

主な変更点は次のとおりです。

デルタ9 THCだけでなく総THCで判定

従来の連邦基準は、主に乾燥重量ベースのデルタ9 THC濃度0.3%以下を基準としていました。新定義ではTHCAを含む総THCが重視されます。

THCAは加熱によってTHCへ変化し得るため、デルタ9 THCだけを測定して基準内だった製品でも、新しい計算方法ではヘンプの範囲から外れる可能性があります。

最終製品は1容器0.4mgという上限

CRS資料では、最終消費者向けヘンプ由来カンナビノイド製品について、1容器あたりの総THCなどが0.4mgを超える製品がヘンプ定義から除外されると説明されています。

この上限は濃度だけでなく容器全体の量で判定されます。そのため、微量のTHCしか含まないフルスペクトラムCBD製品でも、ボトル全体では上限を超える可能性があります。

一部の合成・半合成カンナビノイドも対象

自然に生成されないカンナビノイドや、THCに類似する作用を持つと判断される成分も、新定義の影響を受けます。規制の主眼は酩酊性のあるヘンプ由来製品ですが、条文の広さから非酩酊性CBD市場への波及が懸念されています。

米国規制の全体像は、米国連邦ヘンプ製品規制法2026でも詳しく解説しています。

なぜ決済会社は法律の発効前に動くのか

決済サービスは、違法性が確定した商品だけを機械的に排除するわけではありません。カードネットワーク、提携銀行、チャージバック、州ごとに異なる規制、年齢確認などを含む総合的なリスクで取り扱い可否を判断します。

CBD・ヘンプ市場では、次の要因が同時に存在します。

  • 製品ごとにTHC量と成分構成が異なる
  • 州法と連邦法の扱いが一致しない場合がある
  • COAの内容と実際の製品が一致しないリスクがある
  • CBDと酩酊性ヘンプ由来THC製品が同じカテゴリで扱われやすい
  • 規制変更後に個別商品を審査する運用コストが大きい

決済会社にとっては、一品ずつ適法性を審査するより、カテゴリ全体を制限する方がリスク管理しやすい場合があります。しかし、その判断は非酩酊性CBDを扱う事業者にも売上機会の喪失をもたらします。

「CBDが禁止」ではなく流通インフラの問題

今回のニュースを理解する鍵は、成分規制と販売インフラを分けて考えることです。

法律上の適法性

製品が連邦法・州法の基準に適合しているかという問題です。新定義のもとでも、THCを含まないCBDそのものまで一律に禁止されると確定したわけではありません。

決済サービスの利用可否

法的に販売可能な商品でも、決済会社の利用規約やリスク方針によって取り扱えない場合があります。これはCBDに限らず、酒類、たばこ、医薬品関連商品などでも起こります。

実際に販売を続けられるか

決済に加えて、EC基盤、銀行口座、配送、広告、保険がそろわなければ事業は継続できません。今回のSquareの動きは、法律の変更が決済という周辺インフラへ先回りして影響した例といえます。

米国CBD事業者に想定される影響

売上停止と移行期間の短さ

通知の対象となった事業者は、代替決済の審査、ECとの接続、定期購入データの移行などを期限までに進める必要があります。決済の切り替えに失敗すれば、商品が合法でもオンライン販売を続けられません。

高リスク業種向け手数料の増加

CBD対応を掲げる決済会社は存在しますが、一般小売より審査が厳しく、手数料、準備金、チャージバック条件が重くなる場合があります。小規模事業者ほど負担は大きくなります。

アイソレート製品への集中

総THCや容器単位の上限が厳格化すると、THCを含まないCBDアイソレート製品へ切り替える動きが強まる可能性があります。ただし「アイソレート」と表示するだけでは不十分で、最終製品の検査とロット管理が必要です。

フルスペクトラムCBDとアイソレートの違いを理解すると、今回の規制が製品設計に与える影響を把握しやすくなります。

日本のCBD消費者への直接影響はあるのか

Squareの通知や米国連邦法の変更は、日本国内のCBD規制を直接変更するものではありません。日本では2024年12月12日から、製品形状ごとにデルタ9 THCの残留限度値が適用されています。

  • 油脂・粉末:10ppm
  • 水溶液:0.10ppm
  • その他:1ppm

米国の「1容器0.4mg」という基準と、日本の「製品形状ごとの濃度基準」は別制度です。海外記事の数値を日本でそのまま合法性判断に使うことはできません。

一方、間接的な影響は考えられます。

  • 米国ブランドが製品仕様を変更する
  • フルスペクトラム商品の供給が縮小する
  • 海外通販の決済手段が変わる
  • ブランド撤退や価格上昇が起きる
  • THCを含まない製品への切り替えが進む

日本で商品を選ぶ際は、海外で販売可能かではなく、日本向け最終製品のCOAが国内残留限度値に対応しているかを確認することが重要です。COAで合法性を確認する実践ガイドも参照してください。

事業者が確認すべき5項目

日本の事業者が米国の決済サービスや海外販売を利用している場合は、次の項目を確認する必要があります。

  1. 契約中の決済会社がCBD・ヘンプをどう定義しているか
  2. 規約変更の適用地域と発効日
  3. 自社製品の総THC量と1容器あたりの含有量
  4. 定期購入・返金・顧客データの移行条件
  5. 代替決済がカードネットワークと銀行の双方でCBDを許容するか

「法律上は合法」という説明だけで決済会社の審査を通過できるとは限りません。COA、原料証明、製造工程、商品表示、年齢確認などを一体で管理する必要があります。

今後の焦点

米国議会では、ヘンプ定義変更の発効延期や、禁止ではなく年齢制限・表示・課税を組み合わせた規制枠組みを求める法案が検討されています。上院では短期延期を含む動きも報じられましたが、法案は成立するまで確定事項ではありません。

今後は次の3点が重要です。

  • Squareが公開利用規約とCBDプログラムページをいつ更新するか
  • 11月12日の新定義が予定どおり発効するか
  • THCを含まないCBD製品を決済会社が区別して扱うか

法改正が延期されても、決済会社が自動的に方針を撤回するとは限りません。法律と民間サービスの規約は別々に追う必要があります。

まとめ

SquareがCBD・ヘンプ事業者へ販売停止を通知したとの報道は、米国のヘンプ規制変更が決済インフラへ波及し始めたことを示しています。

重要なポイントは次のとおりです。

  • 米国の新しいヘンプ定義は2026年11月12日に発効予定
  • 最終製品には1容器0.4mgの総THC等の上限が設けられる
  • Squareの通知では11月5日のアカウント終了などが報じられている
  • Squareの公開CBDページは現時点で残っており、対象範囲は追加確認が必要
  • 日本のCBD残留限度値は米国と別制度で、今回の通知が国内法を変えるわけではない

CBD市場では、成分の合法性だけでなく、決済・銀行・物流まで含めた流通基盤が事業継続を左右します。消費者は「米国で販売停止」という見出しだけでCBD全体が違法になったと誤解せず、日本向けCOAと国内基準を確認しましょう。

参考情報源

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