CBDのTHC検査機関一覧が8月更新|COAで合法性を確認する実践ガイド

CBDやCBG製品を選ぶとき、「THCフリー」という表示だけで安心していませんか。2026年8月6日、厚生労働省は製品中のΔ9-THCを測定できる検査機関の一覧を更新しました。これは単なる業者向け情報ではありません。消費者にとっても、COA(成分分析証明書)が日本の残留限度値を確認できる内容かを見分ける重要な手がかりです。
この記事では、更新情報の意味と、CBD・CBG製品を購入する前にCOAで確認したいポイントを解説します。
最初に確認
日本では製品の種類ごとにΔ9-THCの残留限度値が定められています。限度値を超えた製品は「麻薬」に該当します。「海外では合法」「ヘンプ由来」「THCフリー」という宣伝だけでは、日本法への適合を確認できません。
2026年8月6日に何が更新されたのか
厚生労働省の制度案内ページでは、製品中のΔ9-THCを測定可能と申告した検査機関の一覧が公開されています。この一覧の基準日は令和8年(2026年)8月6日に更新されました。
ここで注意したいのは、掲載が各製品の安全性を国が保証する制度ではない点です。厚生労働省も、一覧は「測定可能と申告のあった機関」を掲載したもので、掲載外の機関による検査を妨げないと説明しています。
今回の更新が重要なのは、次の3点です。
- 国内制度に対応した検査先を探すための公的な入口が新しくなった
- 事業者が最終製品やロットの適合性を再確認しやすくなった
- 消費者がCOAの検査機関名や検査内容を照合する材料が増えた
つまり「一覧掲載=その製品は合法」ではなく、検査結果を確かめるための選択肢が更新されたと理解するのが正確です。
日本のΔ9-THC残留限度値
2024年12月12日から、日本では製品形状に応じたΔ9-THC残留限度値が適用されています。
- 油脂(常温で液体)・粉末:10ppm(10mg/kg、0.0010%)
- 水溶液:0.10ppm(0.10mg/kg、0.000010%)
- その他:1ppm(1mg/kg、0.0001%)
CBDオイルは一般に「油脂」、飲料などは「水溶液」、グミなどは「その他」に該当し得ます。ただし、製品区分は個々の性状によって判断されます。パッケージの呼び名だけで自己判断せず、メーカーがどの区分として検査したかを確認してください。
限度値は「CBDが何mg入っているか」とは別の指標です。CBD含有量が表示どおりでも、Δ9-THCが日本の基準を超えていれば問題になります。
COAで見るべき7項目
1. 製品名とロット番号
COAの製品名・ロット番号が、手元の商品の表示と一致しているかを確認します。同じ商品名でも製造時期や原料ロットが違えば、分析結果は同一とは限りません。
ロット番号がない、または数年前のCOAしか公開されていない場合、その結果を現在販売中の製品へそのまま当てはめることはできません。
2. 検体が原料か最終製品か
原料のCOAと、容器へ充填された最終製品のCOAは役割が異なります。原料の適合確認は大切ですが、希釈・配合・製造後の最終製品を直接示すものではありません。
購入判断では、できれば最終製品かつ該当ロットの分析結果を優先しましょう。
3. Δ9-THCの結果
分析項目に「Δ9-THC」「Delta-9 THC」などが含まれているかを確認します。「Total THC」だけが記載されている場合は、その計算方法とΔ9-THC単体の結果も確認したいところです。
結果欄には、数値のほか「ND(検出せず)」「LOQ未満(定量下限未満)」などが使われます。NDは絶対的なゼロを意味しません。採用した測定法の検出限界より低かった、という意味です。
4. LOQ・LOD
- LOD:検出限界。存在を検出できる最小濃度
- LOQ:定量下限。数値として信頼性をもって測定できる最小濃度
日本の基準への適合を判断するには、検査のLOQが対象区分の残留限度値より十分低い必要があります。たとえば水溶液の基準は0.10ppmです。LOQがそれより高い検査で「ND」と出ても、0.10ppm以下だと確認できたことにはなりません。
5. 単位
ppm、mg/kg、µg/g、%など、COAでは複数の単位が使われます。1ppmは固体・油脂の重量比では概ね1mg/kgです。一方、%への換算では小数点の位置を間違えやすいため、メーカーの適合説明と検査機関の原本を照合してください。
6. 検査日と発行日
検査日が販売ロットの製造時期と整合するかを見ます。古い分析書をブランド全体の恒久的な証明として使うことはできません。
7. 検査機関と報告書の真正性
検査機関名、所在地、報告書番号、電子署名やQRコードの有無を確認します。可能なら検査機関の公式サイトから報告書番号を照会します。PDF画像が切り抜かれ、検査機関名やロット番号が見えないものは判断材料として不十分です。
「THCフリー」の表示だけでは足りない理由
「フリー」は消費者にわかりやすい表現ですが、測定法の感度、検体、ロットが示されなければ科学的な意味が定まりません。
一般社団法人日本カンナビジオール協会も、ある測定条件でTHCが検出されなかった結果は「THCが絶対に入っていない証明」ではなく、測定機器・条件・製品ロットが違えば結果も異なり得ると説明しています。
必要なのはゼロという言葉よりも、次の組み合わせです。
- どのロットを調べたか
- どの測定法を使ったか
- どこまで低い濃度を測れるか
- 日本の製品区分別基準を下回るか
これらが揃って初めて、COAが購入判断に役立ちます。COAの基礎は成分分析証明書の読み方でも詳しく解説しています。
実際に基準超過製品が注意喚起された例
厚生労働省は2025年5月、福岡県の買上調査で「CBD EAST GUMMIES いちご味」から残留限度値を超えるΔ9-THCが検出されたとして、販売・購入・摂取を行わないよう注意喚起しました。
この事例が示すのは、「CBD製品」という名称だけでは適法性を保証できないことです。グミは一般に油脂や水溶液とは異なる区分となり、該当する残留限度値に照らして判断されます。
すでに購入した製品について行政から注意喚起が出た場合は、自己判断で廃棄・譲渡せず、案内された地方厚生局麻薬取締部または都道府県の薬務担当へ連絡してください。
CBD・CBG製品を買う前のチェックリスト
購入前に、販売ページやメーカーへの問い合わせで次を確認しましょう。
- 日本向け最終製品のCOAが公開されている
- 商品とCOAのロット番号が一致する
- Δ9-THCの結果と単位が明記されている
- LOQが対象製品の残留限度値より低い
- 検査機関名と報告書番号を確認できる
- CBD・CBGの表示量と分析値を比較できる
- 販売者の連絡先と回収時の対応方針が明確
CBN製品には別の規制
CBNは2026年6月1日から指定薬物となり、原則として製造・輸入・販売・所持・使用などが禁止されています。Δ9-THCが残留限度値以下でも、CBNを含む製品を一般的なCBD・CBG製品と同じように扱うことはできません。
CBN規制後の成分選びについては、CBD・CBGスターターキットで失敗しない選び方も参考にしてください。
検査機関一覧の正しい使い方
厚生労働省の一覧は、消費者が検査を直接依頼するためだけの資料ではありません。メーカーに次の質問をするときの基準になります。
- 最終製品のΔ9-THCをどの機関で測定したか
- 日本のどの製品区分を前提にしたか
- 測定法のLOQはいくつか
- 現在販売中のロットとCOAが一致するか
回答が「海外工場で検査済み」「ヘンプ由来だから大丈夫」だけなら、日本の基準への適合を確認できていません。海外の法定基準と日本の残留限度値は同じとは限らないためです。
一方で、一覧にない検査機関だから直ちに無効というわけでもありません。厚生労働省は掲載外機関での検査を妨げないと明記しています。重要なのは、方法の妥当性と日本基準を判断できる感度です。
まとめ
2026年8月6日時点で、厚生労働省のΔ9-THC検査可能機関一覧が更新されました。更新は特定ブランドのお墨付きではなく、事業者と消費者が検査体制を確かめるための最新資料です。
CBD・CBG製品では、「THCフリー」の一言よりも、最終製品・該当ロット・Δ9-THC・LOQ・単位・検査日・検査機関をセットで確認してください。日本の残留限度値は製品区分ごとに異なり、基準を超えた製品は麻薬に該当します。
販売ページでCOAを見つけられない場合や、ロットが一致しない場合は、購入前にメーカーへ問い合わせるのが安全です。
いいえ。一覧はΔ9-THCを測定可能と申告した機関の情報です。個別製品の合法性を保証するものではありません。該当ロットの分析結果が日本の製品区分別残留限度値を下回るかを確認する必要があります。
NDは通常、採用した方法の検出限界未満という意味で、絶対的なゼロを意味しません。日本基準への適合確認ではLOD・LOQと単位も確認してください。
海外発行という理由だけで無効ではありません。ただし、日本の残留限度値を判定できる測定感度、製品区分、Δ9-THCの結果、対象ロットが確認できることが重要です。
常温で液体の油脂に該当する場合は10ppmです。ただし製品の性状によって区分が異なる可能性があるため、メーカーの区分説明と厚生労働省の資料を確認してください。
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