JCF(日本カンナビノイド連盟)がCBN規制に反対声明|業界8団体が連携して科学的根拠を要求

JCF(日本カンナビノイド連盟)がCBN規制に反対声明|業界8団体が連携して科学的根拠を要求
この記事のポイント
✓ JCF(8団体連合)が厚労省のCBN指定薬物化方針に反対声明を発表
✓ 科学的根拠の不足と5年以上の安全流通実績を根拠に規制見直しを要求
✓ パブリックコメント募集中(11月27日締切)で業界が一致団結して行動
2025年10月29日、厚生労働省がCBN(カンナビノール)を指定薬物化する方針を発表したその日、日本カンナビノイド関連団体連盟(JCF)が反対声明を発表しました。今回の動きは、国内カンナビノイド業界が規制当局に対して統一的な意見を表明する初めての大規模な行動となります。8団体が結束して科学的根拠を要求する背景には、年間100億円規模の市場と、多くの利用者の健康を守る責任があります。

JCFによるCBN規制反対の記者会見 - 業界8団体の代表者が一堂に会して科学的根拠に基づく規制見直しを要求
目次
背景:CBN規制への動きと業界の反応
CBN規制の発端は、2025年5月に山梨学院大学で起きた事故でした。レスリング部の部員がCBNを含むとされるクッキーを摂取後、寮から転落して重傷を負ったとされています。この事故を受けて、厚生労働省は急速にCBNの指定薬物化に向けた検討を開始しました。しかし、事故の詳細な調査結果や、CBNと事故の因果関係は明確にされていません。
業界関係者からは、「科学的根拠のない拙速な規制」という批判の声が上がっています。特に、世界的にCBNは規制対象外であり、日本でも5年以上にわたって安全に流通してきた実績があることから、今回の規制方針に対する疑問が提起されています。さらに、年間100億円規模の市場が形成され、多くの消費者が健康維持のために利用している現状を考慮すると、規制の影響は計り知れません。
山梨学院大学での事故発生
CBNを含むとされる製品の摂取が報道される
JCF(日本カンナビノイド関連団体連盟)設立
業界8団体が連携体制を構築
厚生労働省がCBN指定薬物化方針を発表
JCFが同日に反対声明を発表
パブリックコメント募集期間
業界と消費者が意見を提出中
このような急速な規制の動きに対し、業界は結束して対応することが求められました。そこで中心的な役割を果たしているのが、日本カンナビノイド関連団体連盟(JCF)です。
JCF(日本カンナビノイド関連団体連盟)の詳細
日本カンナビノイド関連団体連盟(Japan Cannabinoid Federation、略称:JCF)は、2025年8月6日に設立された業界団体の連合組織です。カンナビノイド製品に起因する保健衛生上の危害を未然に防止し、市場の健全かつ持続的な発展に寄与することを目的としています。代表の須藤晃通氏は、「カンナビノイド産業は、社会からの信頼があってこそ成長できる産業」という理念のもと、業界の自主規制と透明性の向上に取り組んでいます。
JCFには、全国大麻商工業協議会をはじめとする8つの主要団体が参加しています。それぞれが業界ガイドライン策定、CBD製品の品質基準策定、産業振興と国際連携、カンナビノイド研究と教育、産業技術開発とイノベーション、ヘンプ産業の普及と啓発、医療大麻研究と患者支援、そしてカンナビノイド全般の推進という異なる専門分野を担当しています。この多様性が、業界の包括的な発展を支えています。
| 団体名 | 主な活動領域 | 役割 |
|---|---|---|
| 全国大麻商工業協議会 | 業界全体のガイドライン策定 | 代表:須藤晃通 |
| 日本カンナビジオール協会 | CBD製品の品質基準策定 | 副代表:伊藤俊彦 |
| 日本カナビス産業協会 | 産業振興・国際連携 | 副代表:マイケル・ボブロブ |
| 日本カンナビノイド協会 | カンナビノイド研究・教育 | 参加団体 |
| 麻産業創造開発機構 | 産業技術開発・イノベーション | 参加団体 |
| 日本ヘンプ協会 | ヘンプ産業の普及・啓発 | 参加団体 |
| GREEN ZONE JAPAN | 医療大麻研究・患者支援 | 参加団体 |
| オール・カンナビノイド | カンナビノイド全般の推進 | 参加団体 |
これら8団体の連携により、JCFは業界の統一的な声を代表することができます。今回のCBN規制問題においても、この連携体制が大きな力を発揮しています。
JCFの理念と使命:業界の未来を見据えて
JCFは「安全で健全なカンナビノイド市場の実現へ」というビジョンを掲げ、活動を展開しています。規約第3条に明記された「カンナビノイド製品による健康被害を未然に防ぎ、市場を健全かつ持続的に発展させる」という理念は、単なる事業者の利益追求ではなく、消費者の安全と業界全体の発展を最優先に考えた姿勢を表しています。
JCFが掲げる2つの使命は、相互に補完し合う関係にあります。第一の使命である「健康被害の未然防止」では、安全性基準の策定、品質管理システムの構築、消費者への適切な情報提供を通じて健康リスクを最小化します。第二の使命「市場の健全な発展」では、透明性の高い市場環境の整備、適正な競争の促進、長期的な成長戦略の策定を推進しています。これらの使命は、医療・ウェルネス・産業用ヘンプという3つの重点分野を横断して実現されています。
📋 JCF規約第4条に基づく5つの具体的活動
省庁・行政との連携:関係省庁や行政機関との建設的な対話と協力関係の構築
メディア・情報発信:科学的根拠に基づく正確な情報を社会に発信
業界基準の策定:安全性と品質を担保する業界統一基準の確立
安全性の確保:消費者の安全と利益を最優先に考えた取り組み
市場調査・研究:国内外の市場動向や科学的知見の継続的な収集と分析
代表の須藤晃通氏は「カンナビノイド産業は、社会からの信頼があってこそ成長できる産業」と強調しています。この言葉には、短期的な利益ではなく、長期的な視点で業界を育てていくという強い決意が込められています。JCFは、業界の自主規制と透明性の向上を通じて、社会的信頼を獲得することを目指しています。
JCFの最新活動報告:CBN規制への積極的な対応
JCFは設立以降、CBN規制問題に対して積極的な活動を展開してきました。2025年10月29日の厚生労働省の発表直後から、科学的根拠に基づく慎重な議論を求める活動を開始。その結果、厚生労働省のプレスリリースが取り下げられ、規制プロセス全体を慎重に再考すべきとの結論に至りました。これは、業界団体の声が政策決定プロセスに影響を与えた重要な事例です。
11月2日には、CBNの指定薬物化に関する署名活動を開始しました。この署名活動では、全面的な規制反対ではなく、「科学的根拠に基づいた官民協働の制度設計」を求めています。感情的な反発ではなく、建設的な代替案を提示する姿勢が、JCFの活動の特徴です。さらに11月5日には、CBN規制に関する最新情報をまとめた特設ページを公開し、正確な情報提供に努めています。
JCF設立プレスリリース発表
国内主要8団体が連携体制を構築
厚労省のCBN指定薬物化方針に即座に対応
CBD議連での議論により厚労省プレスリリース取り下げ
署名活動開始
官民協働での制度設計を提案
CBN規制特設ページ公開
最新情報の集約と発信
これらの活動は、JCFが単なる業界団体ではなく、消費者の利益と公衆衛生を重視する責任ある組織であることを示しています。規制当局との対立ではなく、対話と協力を通じて問題解決を図る姿勢が、社会的信頼の獲得につながっています。
反対声明の内容と科学的根拠
JCFは、厚生労働省のCBN指定薬物化方針に対して、「CBN規制(指定薬物化)に関する考察」という資料を公表し、明確に反対の立場を表明しました。最も重要な主張は、規制の科学的根拠が不十分であることです。厚生労働省は「精神毒性」を理由としていますが、具体的な研究データが公開されていません。
JCFが指摘する問題点は3つあります。第一に、CBNに「精神毒性がある」とする具体的な研究データが示されていないこと。第二に、山梨の事故事例とCBN摂取の因果関係が科学的に証明されていないこと。第三に、世界的にCBNは規制対象外であり、日本だけが規制する根拠が不明確であることです。これらの指摘は、規制の妥当性を根本から問うものです。
📊 CBNの安全性に関する実績データ
国内流通実績:5~6年以上の安定した流通、重大事故の報告なし
市場規模:年間約100億円の市場が形成され、適正に運営
利用者満足度:515名の調査で84.1%が精神的QOL改善を実感
依存性リスク:物質障害リスク5.2%(カフェイン8%より低い)
さらにJCFは、全面禁止ではなく段階的アプローチを提案しています。リスクに応じた管理として、含有量の上限設定、販売ガイドラインの策定、年齢制限の導入などを提案。また、継続的な調査研究として、科学的エビデンスの収集、国際的な研究との連携、利用者実態の定期調査の必要性を訴えています。業界自主規制の強化についても、品質基準の厳格化、トレーサビリティの確立、消費者教育の推進を約束しています。
影響:規制がもたらす市場への影響
CBNが指定薬物化された場合、その影響は多岐にわたります。まず、直接的な影響として、CBN製品の製造、輸入、販売、所持、使用が原則禁止となります。これにより、年間100億円規模の市場が消滅し、関連企業の事業継続が困難になる可能性があります。また、CBNを微量に含むブロードスペクトラムCBD製品も規制対象となる恐れがあり、CBD市場全体への波及効果が懸念されます。
消費者への影響も深刻です。2024年の調査によると、CBN利用者の主な目的は不眠改善(325名)、不安軽減(186名)、うつ症状の緩和(181名)でした。これらの人々が代替手段を失うことになります。特に、睡眠薬からの離脱に成功した人々にとっては、健康管理の選択肢が奪われることを意味します。
国際競争力の観点からも問題があります。世界的にCBN市場は拡大傾向にあり、2030年には172億ドル規模に達すると予測されています。日本だけが規制を強化すれば、この成長市場から取り残されることになります。さらに、研究開発の遅れ、イノベーションの停滞、雇用機会の喪失といった長期的な影響も避けられません。
今後の展望
パブリックコメントの締切(2025年11月27日)まで残り約2週間となり、JCFは引き続き意見提出を呼びかけています。提出された意見は厚生労働省によって集計・分析され、12月上旬には審議会での検討が予定されています。最終決定は12月下旬から1月にかけて行われる見込みです。
JCFの短期的な目標は、CBN規制の見直しを実現することです。そのために、科学的エビデンスの提出、厚生労働省との対話継続、業界ガイドラインの完成を進めています。中長期的には、国際基準との調和、医療用途の研究推進、産業の健全な発展を目指しています。2030年までに市場規模500億円を達成し、雇用創出と経済効果を生み出すことが目標です。
しかし、課題も山積しています。規制当局との対話においては、科学的議論の場の確保と透明性のある意思決定プロセスが必要です。社会的理解の醸成も重要で、偏見や誤解の解消、正確な情報の普及が求められます。品質管理の徹底により、不良品の市場からの排除と消費者保護の強化も継続的な課題です。
FAQ
JCF(日本カンナビノイド関連団体連盟)は、2025年8月6日に設立された業界団体の連合組織です。全国大麻商工業協議会など8つの主要団体が参加し、カンナビノイド市場の健全な発展と消費者保護を目的として活動しています。
JCFは、CBN規制の科学的根拠が不十分であること、5年以上の安全な流通実績があること、世界的に規制対象外であることを理由に反対しています。また、年間100億円規模の市場と多くの利用者の健康管理手段が失われることも懸念しています。
パブリックコメントの締切は2025年11月27日(月)23:59です。e-Gov、郵送、FAXのいずれかの方法で提出できます。JCFは意見提出のテンプレートや支援も提供しています。
CBNが指定薬物化されると、製造、輸入、販売、所持、使用が原則禁止となります。現在CBN製品を利用している人は使用できなくなり、関連企業は事業の見直しを迫られます。CBD製品にも影響が及ぶ可能性があります。
JCFは全面禁止ではなく、リスクに応じた管理を提案しています。具体的には、含有量の上限設定、販売ガイドラインの策定、年齢制限の導入など、段階的なアプローチを求めています。
まとめ
📝 この記事のまとめ
JCF(日本カンナビノイド関連団体連盟)が業界8団体を代表してCBN規制に反対声明を発表
「安全で健全な市場の実現」という理念のもと、科学的根拠に基づく官民協働を提案
署名活動や特設ページ開設など積極的な情報発信で社会的理解の促進に努める
パブリックコメント締切(11月27日)に向けて業界と消費者が一致団結して行動中


